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by sasakitosio

外交官本来の仕事

 2月8日付東京新聞社説横に「太郎の国際通信」という欄がある。筆者は、ジャーナリスト・木村太郎氏だ。今日はこの筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「「私はなにがあっても皆さんに退避勧告を出すことはしませんから」
 いまから40年前のこと、中東の某国に着任した日本の新大使が在留邦人へのあいさつでこう言い放った。
 なんでも前任地で内戦が激化した時に、大使館が退避勧告を出すのが遅すぎたと批判されたことに懲りてのことだった。
 当時某国でも、パレスチナゲリラが跳梁跋扈し日本赤軍も根城にしていて何が起きてもおかしくない状況だった。
 そしてまもなく、内戦が勃発した。
 大使は宣言通り在留邦人に対して退避勧告を出さず、日本人は企業ごとに独自に情報収集し、判断をして一社また一社と引き上げていった。
 私たち日本人記者たちは逆に忙しく取材することになったが、ある日反政府側が丘の上にある大統領官邸を砲撃するという情報を得た。その大統領官邸の隣に日本大使公邸があるのだが、大使は避難した様子はない。
 「えっ、本当か」
 私が電話でその情報を伝えると、大使は絶句した。その後急いで公邸を脱出するとまもなく反政府側の砲撃が始まった、大使は二度と公邸には戻らずホテル暮らしを続けたらしい。
 「イスラム国」による後藤健二さんらの殺害を機に、政府は在留邦人の安全確保に全力を挙げると聞いてこの経験を思い出した。」と教えてくれる。
 つづけて筆者は、「40年前とは事情が違うというかもしれないが、二年前にアルジェリアで天然ガスプラントがイスラム系武装集団に襲われ日本人関係者10人が犠牲になった事件でも、現地大使館が周辺の状況が逼迫していたことを把握していなかったことや、事件発生後も現地当局との対応がはかばかしくなかったことが批判された。
 あの事件の後も日本政府は「在外邦人の安全確保には全力をあげる」と言明し、とくに現地での情報収集能力の向上に努めるといっていたが、結果的に今回も「イスラム国」に翻弄されるだけに終わった。
 多少海外で生活してきた経験から言わせてもらうと、日本の外交官たちは必ずしも「邦人保護」を本来の仕事とは考えていないと思わせる節がある。華やかな社交の場では目につくが、安全に関わるような情報が渦巻く裏世界では日本の外交官の存在を感じたことはない。
 情報屋を雇っているという話は聞くが、やはり、外交官が地をはって嗅ぎまわらなければ本物の情報など得られるわけはないのだ。」と指摘した。
 最後に筆者は、「某国の内戦の際に真っ先に脱出したのは総合商社だった。商社マンのネットワークが正確な情報をつかんだからだろう。
 政府が本気で「在外邦人の保護」を考えるならば、まず日本の外交官を商社マンに負けないしたたかな情報人間に改造しなければならないが、はたしてできるのだろか。」と疑問を呈して締めくくった。
 読んで勉強になった。
 特に、「退避勧告を出さない、と在留邦人へのあいさつで宣言した某国の日本の新大使が、筆者からの電話で公邸から脱出すると、その後反政府側の砲撃が始まり、大使は二度と公邸に戻らずホテル暮らしだった」とのことのくだりは、喜劇を見ているように思えた。それは今にも通じ、日本の外務省・大使の姿勢に通じるのではないかと思った。
 また、「某国で内戦が勃発した時、真っ先に脱出したのは総合商社だった」とのことは、納得できた。
 さらに筆者の指摘「日本の外交官」たちは必ずしも「邦人保護」を本来の仕事とは考えていない節がある」との指摘は、 某国赴任の新日本大使の「退避勧告をださない」宣言を見れば明らかかもしれない。
 「政府は在留邦人の安全確保に全力を挙げる」繰り返し言うが、問題は政府の言う「全力」とはどれほどの「中味」なのだろうか?そこのところを是非とも知りたくなった。
 全力とは、そんなものかと、皆ビックリ、、、なんてことにならないことを祈りたい。
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by sasakitosio | 2015-02-10 07:23 | 東京新聞を読んで | Trackback