憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

仏紙テロの背景直視を

1月27日付東京新聞12面に、「メディア観望」という欄がある。筆者は、特別報道部・田原牧氏だ。

まず筆者は、「「言論の自由」か、「イスラムも悦脱」、「排外主義の台頭」の小見出し。パリの週刊誌シャルリエブドが襲撃された一月七日、わたしは旅先のカイロにいた。

 エジプト人の表情は冷めていた。もっとも、カイロでも爆弾事件はあり、イスラム過激派に市民は憤っている。しかし、西欧では、アフガニスタンで米軍機が結婚式を誤爆し、より多くの犠牲者が出てもそう騒がない。命の格差への違和感が漂っていた。

 私は別の違和感を抱いた。2004年のマドリード、05年のロンドンでのテロ事件を思いだした。ともに無差別テロで、犠牲者も今回を上回った。だが、反応は今回のほうが激しい。何が原因か」と切り出した。

 つづけて筆者は、「少なくとも欧州の右傾化は一因だ。フランスでは14年5月の欧州議会選で、「移民排斥」を掲げる極右政党、国民戦線(FN)が勝利した。

 事件後、言論の自由の旗が振られたが、的を得たとは思えない。フランスでも表現の絶対的な自由はない。ホロコーストの否定やナチの賛美は規制される。同紙には、これまで預言者ムハンマドの下半身をあらわにした劇画も掲載されている。批判は自由だが、そこにはマナーが必要だ。

 一方、イスラムの原則からも、犯人らの行為は正当化できない。イスラムの世界観では、世界はイスラム圏(イスラムの家)と異教徒圏(戦争の家)に二分される。イスラムへの冒涜はイスラム圏は厳禁だが、異教徒圏ではイスラム法はそもそもが無効だ。

 異教徒圏への戦争(攻撃ジハード)も、イスラム圏が統一されておらず、戦争を唯一発動できる長(カリフ)がいない現在、許されない。」と教えてくれる。

 さらに筆者は、「「言論の自由」も「イスラムの脅威」も問題の本質とは考えにくい。置き去りにされた重要な課題が気になった

 植民地主義の問題である。

 犯人たちはアルジェリア移民の子弟だった。同国はフランスの旧植民地で、1954年から8年間の解放戦争で、独立を勝ち取った。フランス側で戦った「裏切り者」(アルキ)は、移民としてフランスに逃れた。その後もフランスは安価な労働力として、アラブ移民を受け入れ続けた。

 だが、70年代の不況とそれに伴う失業と治安悪化で、移民らは白眼視される。従来の差別は悪化し、移民排斥の空気は増す。近年では、自国の「恥部」たる植民地支配を肯定する歴史修正主義すら台頭している。こうした排外主義は、憤る移民の子弟を過激派のささやきに近づける。」と指摘した。

 最後に筆者は、「事件後の巨大な抗議デモには「私はシャルリ」というプラカードが目立ったが、その安易さが悩ましい。テロが政治行為である以上、それを招いた素地の解剖抜きに再発は防げない。

 日本でも、その素地が広がる。対岸の火事とは思えない。」と締めくくった。

 読んで勉強になった。

 特に筆者指摘の「置き去りにされた重要な課題が気になった。植民地主義の問題である」は、考えさせられた。このところ、「21世紀の資本」を熟読していて、イギリスとフランスの植民地帝国の辺りにたどり着き、また今この記事を読み、改めて植民地時代からの「物的・人的」関係が、今日の社会生活に影を落としていることに気付かされた。日本には在日「中国人・韓国人」の問題がある。

 また、「テロが政治行為である以上、それを招いた素地の解剖抜きに再発は防げない」との指摘は、すべての為政者に聞かせたいと思った。

 


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by sasakitosio | 2015-01-28 06:43 | 東京新聞を読んで | Trackback