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by sasakitosio

ドイツの労働市場改革

1月8日付東京新聞朝刊25面に、「本音のコラム」という欄がある。筆者は、法政大教授・竹田茂夫氏だ。今日はこの筆者に学ぶことにした。

 まず筆者は、「高失業率に苦しみ欧州の病人と言われたドイツが労働市場改革を断行して10年になる。寛大な失業保険制度に安住する長期失業者を就労させるために受給期間を1年に短縮し、2年目から低額の福祉給付に付け替えて強圧的な就労勧奨を図ったのだ。 

 提唱者の名からハルツ4(ハルツ改革第4弾)と呼ぶ。働かなければ生存水準(住居費は別で単身者は1月6万円未満)に落ちる恐怖で否応なく就労させる仕組みで、福祉国家の病巣に新自由主義の劇薬を注入したわけだ。

 失業者は10年間で500万人から300万人に激減したものの深刻な副作用をともなった。」と切り出した。

 つづけて筆者は、「失業者の過半を占めるハルツ4受給者には仕事のえり好みの余地がないため、制度的に低賃金で不安定な短時間就労や非正規雇用を促進する結果になる。低所得層が固定化し、その子供たちも貧困から抜け出せない。百万人規模の長期失業も解消しない。

 ただ、社会全体の格差は日本ほど大きくなく、ハルツ4の反省から今年初めて導入する法定最低賃金制(時給1200円)に見られるように、福祉国家の理念と体制を維持しようとしている。」と教えてくれる。

 最後に筆者は、「日本では労働市場改革の名目で中高年正社員の追い出しを主張するものがいるが、ハルツ4とは逆に失業率が跳ね上がり社会不安を醸成することになろう。」と警告して締めくくった。

 読んで勉強になった。ドイツに寛大な失業保険制度があることに驚いた。一年の給付期間があり、2年目も低額な福祉給付に変えても、失業給付が存続することも驚きだ。

 「働かなければ生存水準(住居費は別で単身者は1月6万円未満)に落ちる恐怖で否応なく就労させる仕組み」も、興味深い。ただ、就業場所の確保が、民間企業任せでは低賃金で不安定な短時間就労や非正規雇用を促進する結果になるのは必定ではないか?

 これを避けるためには、雇用問題は自由契約ではなく、公共問題・公益問題として、公共管理・公共派遣にでもして、労働条件の均質化を図る必要があるのではないかという気がした。  


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by sasakitosio | 2015-01-12 12:22 | 東京新聞を読んで | Trackback