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by sasakitosio

21世紀の資本

 12月5日付東京新聞朝刊29面に、「本音のコラム」と言う欄がある。筆者は、作家で元外務省主任分析官・佐藤優氏だ。今日はこのコラムに学ぶことにした。

 まず筆者は、「世界的規模で話題になっているフランスの経済学者トマ・ピケティの「21世紀の資本」(みすず書房)が翻訳された。山形浩生、守岡桜、森本正史三氏による訳文がこなれているので読みやすい。

 マルクスの「資本論」によると、賃金は生産の段階で資本家と労働者の力関係で決まる。利潤の分配は資本家間の問題だ。

 これに対し、ピケティは賃金を利潤の分配と考える。

 この点でピケティの発想はマルクスとまったく異なる。」と教えてくれる。

 つづけて筆者は、「ピケティは<長い目で見て賃金を上げ賃金格差を減らす最善の方法は、教育と技能への投資だ。

 結局のところ、最低賃金と賃金体系によって賃金を五倍、十倍にするのは不可能だ。そのような水準の達成には、教育と技術が決定的な効力を持つ>と強調する。

 資本主義には格差を拡大する傾向が内在している。資本の収益率が産出と所得の成立を上回るようになると、資本主義社会の基盤を崩壊させかねない危機が生じるとピケティは警鐘を鳴らす。」とも教えてくれる。

 最後に筆者は、「宇野弘蔵の「資本論」解釈の影響を受けた筆者には、ピケティの言説が資本主義自動崩壊論につながる危うさをはらんでいるようにみえる。

 しかし、高等教育を受けられるか否かで、個人の努力では一生かけても克服できない格差が生じるとの説明には説得力がある。教育を金儲けの手段にしてはならない。」と締めくくった。

 トマ・ピケティの「21世紀の資本」が、みすず書房から12月上旬に発売されると言うので、ずっと楽しみにしていた。発売されたら、すぐに購読しようと思っている

 その前に、筆者のような基礎的素養のある人からの、解説を読むのも、理解を深めることになりそうだ。

 筆者によれば、ピケティは

 「賃金を利潤の分配と考える」、

 「長い目で見て賃金を上げ賃金格差を減らす最善の方法は教育と技能への投資だ」、
 「資本主義には格差を拡大する傾向が内在している」、

 「資本の収益率が産出と所得の成立を上回るようになると、資本主義社会の基盤を崩壊させかねない危機が生じる」、といっているとのこと。

 そして、筆者は「ピケティの言説が資本主義自動崩壊論につながる危うさをはらんでいるようにみえる」と指摘している。まさにこのことが、「21世紀の資本」の本が世界的規模で話題になっている原因では?

 モノに寿命があるように、人に寿命があるように、この世に存在するものに「寿命」があると思えば、「資本主義」と言えども「永遠」でないはずだ。しかも、「資本主義の寿命」を内部矛盾と言う指摘で見せてくれた「ピケティの叡智」に感謝しなければと思った。

 問題は、その先に何があるのかが「不明」であることだが、筆者を含めた、日本の有識者の皆さんに、「ピケティの先」を是非ひねり出してほしいと切に願っている。


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by sasakitosio | 2014-12-05 07:13 | 東京新聞を読んで | Trackback