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by sasakitosio

国民よ失敗に気づけ アベノミクスの「まやかし」

11月19日付東京新聞28面・29面に「こちら特報部という欄」がある。アベノミクスについて、京大名誉教授・伊藤光晴氏に、沢田千秋・植田千秋の両記者が聞いた記事が載った。今日はこの記事を学習することにした。

 まず見出しがスゴイ、

「国民よ失敗に気づけ」

「アベノミクスの「まやかし」」、

「第一の矢 飛んでない、第二の矢 折れている、第三の矢 音だけ」、

 「格差のない国目指そう」、

 「原発再稼働 安全性水掛け論」、

 「労働政策 低賃金化に拍車」、

 「第四の矢 危険な「戦後脱却」」、等、いちいち分かりやすい。

 まず記事は、「「この道しかない」。安倍晋三首相は18日、アベノミクスと呼ぶ経済政策をこのまま進める考えを強調した。本当にそうなのか。景気上昇の実感はなく、国内総生産(GDP)はマイナス成長。国民には不安感が広がる。理論経済学の泰斗である伊東光晴・京都大学名誉教授(87)に、アベノミクスと安倍政治の本質を聞いた。

 「アベノミクスはまやかしだ」。伊藤氏は、開口一番、こう断言した。

 「デフレからの脱却」を掲げるアベノミクスは「三本の矢」からなる。

 第一の矢は「大胆な金融緩和」。消費者物価の上昇率2%を目標に掲げ、市中の資金量を増やし貸出金利を下げるように仕向ける。企業や個人が金を借りやすくして、設備投資や消費を促そうとした。だが、伊東氏は「利子率低下への期待だけでは投資を増加させることはない」と言い切る。

 「バブル期で投資しやすい時代の企業アンケートでも、利子率の低下で投資する可能性は低かった。不確実性を伴う企業投資の決定要因は利子率なんかではなく利潤が期待できるかどうかなのです」と話す。 

「物価が上昇すれば、預貯金の価値は相対的に下がる。アベノミクスでは、金融緩和で手持ちの資産価値が上がれば、消費も増えるという。だが、例えば、持ち家の資産価値が1%上がったとしても消費支出を増やす人はいない。金融緩和が設備投資や消費支出の増加につながると考えるのは、短絡過ぎる」と指摘する。

 ではなぜ、このような理論が安倍政権でまかり通るのか。

 伊東市は、「「本格的な経済学をやっていないグループが首相のブレーンだから。理論上ありえない幻想。第一の矢は飛んでいない」と切り捨てる。」と指摘した。 

 つづけて記事は、「日経平均株価は、第二次安倍内閣発足時の1万円台から6千円以上値上がりし、「アベノミクスの効果」と宣伝している。

 だが、伊東市は、その原因は「外国ファンド資金の日本への流入にある」と解説する。外国ファンドはリスク分散のため、米国、欧州とその他の地域に資金を投じているという。

「リーマン・ショックで落ち込んでいた米国と欧州の株価が回復し投資枠を超えたため、2012年6月ごろから日本株が買われるようになった。アベノミクスとは何の関係もない」

 アベノミクスの第二の矢は、国土強靭化政策を中心とした財政出動だ。公共事業で需要創出を図るとする。

 国土強靭化政策では、南海トラフ巨大地震や首都直下地震に備え、建物や堤防の耐震化、避難路の整備などに十年間で200兆円を投じるとされる。

 伊東氏は「14年度の公共事業関係予算は六兆円だ。国の財政状況や一千兆円を超える国債残高を見ても、年20兆円は不可能。土木事業は人手不足の上、今後、インフラの維持管理、更新にさらに予算がかかる。新たな投資をできる余地はない。第二の矢は既に折れている」と話す。

第三の矢は、規制緩和などによって「民間投資を喚起する成長戦略」だ。

 伊東氏は、「既存産業での投資の増加は、その商品への需要増加が見らてることによって起こる」という。「企業の生産性の高まりと、その継続への期待が十分あれば設備投資は起きるが、生産年齢人口が減り続ける日本では、このような状態は生まれない」という。

 「第三の矢はいつ実現できるか分からないプランが並ぶだけ。有効性のない音だけの鏑矢になる可能性が大きい」と見立てる。」と教えてくれる。

 さらに記事は、「伊東氏の批判は、原発政策にも及ぶ。あれほどの被害を及ぼした福島第一原発事故を経験したにもかかわらず、安倍政権は九州電力川内原発を手始めに、再稼働に向けた動きを推し進めている。原発の海外輸出にも躍起だ。アラブ首長国連邦やトルコと原子力協定を結び、インドや南アフリカなどとも交渉を続けている。

 伊東氏は「国内で再稼働を急ぐのは、安全性をアピールして、企業に大きな利益をもたらす輸出を後押ししたいとの思いがあるからだろう。

 ただ、いまだに放射性廃棄物の最終処分場がきまっていない。安全か安全でないかという議論は結局、水掛け論に終わる。処分先がないという一点を持ってして、進めるべきでない」と言い切る。

 労働政策も誤った路線を歩んでいるという。

 政府は臨時国会に、労働者派遣法の改正案を提出した。原則として最長3年と定められている派遣労働者の雇用期間を条件付きながら無期限にするなどの内容だ。

 非正規の形態が一般化するにしたがって、低賃金で過ごさなければならない人が増えていく。西欧諸国は非正規も含めて同一労働同一賃金の原則が守られているが、日本はそうはなっていない。

 安倍政権が掲げる「女性が輝く社会」も、賃金が半分になっても夫婦で働けば大丈夫だろうという考え方の裏返しと言える。これでは、国民の所得は増えそうにない。

 伊東氏は「安倍政権の問題点は、三本の矢の効果がないことに加え、「第四の矢」の危険性にある」と訴える。

 伊東氏の言う「第四の矢」とは、安倍首相が掲げる「戦後レジュームからの脱却」を指す。安倍首相は解釈改憲による集団的自衛権の行使容認に踏み切り、憲法改正までも念頭においている。「国際紛争は武力では解決できないことは中東の例を見ても明らかなのに、中国との間で緊張関係を生じさせるなど、逆の方向に行っている。

 では、日本はどういった国家像を探るべきなのか。

 伊東氏は「50年の生産人口は今の6割にまで減る。従来のような経済成長や発展は期待できない」と説く。

 「日本の高度成長期のような爆発的な成長経済が続く「鉄が鉄を生む」といわれるような期間は「一つの国に一度しか現れない。今でいえばインドや中国がその状態に当たる。日本はこれまでに蓄積した富や社会資本を生かし、格差のない、福祉重視の国を目指していくしかないのではないか」と提言する。

 最後に記事は、「18日夜、安倍首相は衆院の解散を表明し、総選挙が行われることになった。

 伊東氏は「アベノミクスが失敗だったことに国民が気付く必要がある。」と話す。

 「この二年間、安倍政権は経済政策をはじめとして効果のあることは何もやってこなかったに等しい。今解散したのは、それがばれる前に選挙をやってしまえば引き続き政権を担えるから。どの候補者を選べば自分にとってプラスになるのか、一人一人が真剣に考えるべきだろう」」と締めくくった。

 よんで勉強になった。

 特に「日本の高度成長期のような爆発的な経済成長が続く「鉄が鉄を生む」といわれるような期間は、一つの国に一度しか訪れない。」との指摘は、そうなのかあ!!と考えるヒントになった。

 そして「日本はこれまでに蓄積した富や社会資本を生かし、格差のない福祉重視の国を目指して行くしかないのではないか」との主張は、そうなのかもしれないと思った。

 ただ、福祉重視は社会の安定と言う意味で是としたうえで、将来への希望と発展を見すえて、国民的規模で老若男女で教育・文化への投資をしたいものだ、と思った

 アベノミクスに対する評価、①第一の矢 飛んでない、第二の矢 折れている、第三の矢 音だけの鏑矢、第四の矢 危険な「戦後脱却」等は、良く分かった。

 安倍政権の原発政策については、「国内で再稼働を急ぐのは、安全性をアピールして、企業に大きな利益をもたらす輸出を後押ししたいとの思いがあるからだろう」の指摘は、そうなのかと納得した。
 「どの候補者を選べば自分にとってプラスになるのか、一人一人真剣に考えるべきだろう」と教えてくれたが、それでも誰も信頼でき支持・共感できる人や政党がないときは、どうすればいいのだろうか?
 棄権は大変もったいない。ならば投票用紙に「信頼し期待する立候補者・政党なし」とでも書くしかないのだろうか?いわば無効票でも「意識ある、監視の目を持つ」有権者の存在を示す、意味はあるかもしれないが? ここのところは、いわゆる有識者に真剣に考えて頂きたいと思った。

 


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by sasakitosio | 2014-11-25 08:03 | 東京新聞を読んで | Trackback