憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

起てよ全国の新聞紙 桐生悠々を偲んで

 9月11日付東京新聞の社説に、「起てよ全国の新聞紙」という、見出しで反骨の新聞記者、桐生悠々を偲んだ記事が載った。今日はこの社説を学習することにした。
 社説は、「今年はこれまで以上に感慨深い日でした。きのう9月10日。明治から大正、昭和期にかけて健筆を振るった反骨の新聞記者、桐生悠々の命日です。
 「言わねばならなこと」。弊紙が昨年12月から随時掲載している欄のタイトルです。識者らの声を紹介しています。きっかけは第二次安倍内閣が特定秘密保護法の成立を強行したことでした。
 外交・防衛など、特段の秘匿が必要とされる「特定秘密」を漏らした公務員らを厳罰に処す法律です。
 この法律は特定秘密の指定・解除が行政の裁量に広く委ねられ、「秘密の範囲が限定できない」などの懸念が指摘されてきました。
 特定秘密の範囲が恣意的に決められ、取材記者や行政監視の市民らが違法行為を問われれば、国民の「知る権利」や人権が著しく脅かされることになるからです。
 成立前後に行われた共同通信社の全国電話世論調査では、法律に反対との回答は60%を超え、法律に「不安を感じる」と答えた人の割合も70%以上にたしました。
 国会周辺など全国各地で反対デモが行われ、今も続いています。私たちの新聞をはじめ多くのメディアが反対の論陣を張りました。
 安倍晋三首相は「厳しい世論は国民の叱声と、謙虚に真摯に受け止めなければならない」と語ってはいますが、その姿勢に偽りはないでしょうか。
 法案提出前、9万件を超えるパブリックコメント(意見公募)が寄せられ、8割近くが反対でしたが、提出は強行されました。運用基準作りでも約2万4千件の意見のうち半数以上が法律廃止や条文見直しを求めていますが、抜本修正は見送られました。
 運用基準ができたからといってとても十分ではありませんし、私たちは今も、この法律自体に反対です。国民が、そして新聞が反対の声をあげなければ、政府は運用基準すらつくろうとしなかったかもしれません。
 私たちの新聞には「言わねばならないこと」だったのです。」と、教えてくれる。
 つづけて社説は、「この「言わねばならないこと」は、本紙を発行する中日新聞社の前身の一つ、新愛知新聞などで、編集と論説の総責任者である主筆を務めた桐生悠々の言葉です。
 悠々は晩年を愛知県守山町(現名古屋市守山区)で過ごし、自ら発行していた個人誌「他山の石」にこう書いています。
「言いたい事と、言わねばならない事とを区別しなければならないと思う」「言いたい事を言うのは権利の行使であるに反して、言わねばならないことを言うのは、義務の履行だからである」「義務の履行は、多くの場合、犠牲を伴う。少なくとも損害を招く」
悠々は守山町に帰る前、長野県の信濃毎日新聞の主筆でしたが、敵機を上空で迎え撃つ想定の無意味さを批判した評論「関東防空大演習を嗤う」が軍部の怒りを買い、会社を追われます。
 それでも1941年(昭和16)年、太平洋戦争開戦三カ月前に亡くなる直前まで軍部、権力批判をやめませんでした。旺盛な記者魂は今も、私たちのお手本です。」と教えてくれます。
 さらに社説は、「秘密保護法以外にも、今の日本はいわねばならないことに満ちています。
 例えば、外国同士の戦争に参戦できるようにする「集団的自衛権の行使」容認問題です。
 戦後日本は先の大戦の反省から行使できないとの憲法解釈を堅持してきました。その解釈を正規の手続きを経るのならまだしも、一内閣が勝手に変えていいはずがありません。
 全国のブロック・県紙のうち、弊社を含む39社が、政府の解釈変更による集団的自衛権の行使容認に反対する社説を掲載しました。賛成はわずか2社です。
 地域により近いメディアがそろって反対の論陣を張ったことを政府は無視してはならない。
 悠々は18(大正7)年、富山県魚津から全国に広がった米騒動で、当時の寺内内閣を厳しく批判します。米価暴騰という政府の無策を新聞に転嫁し、騒動の報道を禁止したからです。
 悠々は、新愛知新聞社説「新聞紙の兵糧攻め、起てよ全国の新聞紙!」の筆を執り、内閣打倒、言論擁護運動の先頭に立ちます。批判はやがて全国に広がり、寺内内閣は総辞職に追い込まれました。」と教えてくれる。
 最後に社説は、「政府が悪政に道を踏み出すのなら、私たち言論機関が起ち上がるのは義務の履行です。戦前戦中のように犠牲を恐れて、権力に媚びるようでは存在価値はありません。日本を再び「戦前」としないためにも、悠々を偲び、その気概を心に刻まねば、と思うのです。」と締めくくった。
 「言わねばならないことを言うのは、義務の履行で、それには多くの場合、犠牲が伴う。少なくとも損害を招く」との、悠々の指摘は、その通りだと思った。
 そして、「新聞紙の兵糧攻め、起てよ全国の新聞紙!」の筆を執り、内閣打倒、言論擁護運動の先頭にたった、悠々の気迫・信念・パワーのものすごさに、ただただ感動した。
 社説が、「政府が悪政に道を踏み外すのなら、私たち言論機関が起ちあがるのは義務の履行です」には共感し、読者・主権者の一人として、できる限りの支援をしたいと思った。
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by sasakitosio | 2014-09-17 07:31 | 東京新聞を読んで | Trackback