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by sasakitosio

稼ぐ力 企業価値の「ものさし」とは

 8月31日付朝日新聞朝刊6面に、「波聞風聞」という署名入りのかこみ記事がある。筆者は、編集委員・安井孝之氏だ。
 今日は、この記事に学ぶことにした。
 筆者は、「ROE(自己資本利益率)という錦の御旗がはためき始めた。政府は6月末にまとめた日本再興戦略で、日本企業の「稼ぐ力」を強める必要性を指摘し、欧米企業並みのROEを目指せ、と促した。経済同友会も7月の夏季セミナーで「ROE10%の達成に努める」と宣言した。
 ROEは純利益を自己資本で割ったものだ。株主が出資したお金を使って、どれだけ効率的に利益を上げたかをみる指標である。ROEが高ければ株主の利益は高まり、株価も上がる。日本企業のROEは5%前後だが、欧米企業は十数%と差がある。日本企業はもっと稼げ、と言うわけである。
 「低いままのROEに甘んじてはいけない」と経営者たちが口をそろえると、みんなが同じことを言い始めたら少し怪しい、と天の邪鬼の虫がむずむずしてしまう。」と切り出した。
 つづけて筆者は、「私だけではない。三菱ケミカルホールデングスの小林喜光社長は5日の日本記者クラブでの会見で「当然、ROEを挙げるべく努めているが、そればっかりじゃないだろうと常に考えている」と複雑な気持ちを語った。
 小林社長は企業価値を測る「KAITEKI価値」という指標を考案した。四半期単位の利益、10年単位の技術革新、100年単位の持続可能性を合算して判断すべきだと提案している。
 人の評価も心技体が基本。
 身体が大きければすばらしいのか。
 成績が良ければ立派な人物なのか。
 評価軸が一つでは落とし穴に陥りがちだ。
 経費削減やリストラで短期的に利益を上げ、ROEを高めても、新しい技術を開発できなければ、持続的な経営は成り立たない。企業価値の判断は多面的であるはずなのに、ROEだけ強調される風潮に小林社長も違和感を持っているようだ。
 株主利益が重視される米国ではROEが重要な指標となる。アベノミクスの3本目の矢、成長戦略で稼ぐ力をつけようと米国流を疑いもなく追いかけているように見える。」と教えてくれる。
 さらに筆者は、「そんな動きとは逆方向の取り組みが始まる。「人を大切にする経営学会」が9月23日に発足する。発起人代表は法政大学の坂本光司教授。ベストセラー「日本で一番大切にしたい会社」を書き、これまで全国7千社を回った。
 その1割は景気変動に左右されず利益を上げ続けている。
 共通項は「業績だけを挙げようとする経営ではなく人本経営であること」と坂本教授。
 社員や取引先、客を大切にする会社が、結果的に利益を持続的に上げているという経験則が見えた。坂本教授は「学会の旗揚げで間違った経営学を正したい」という。
 ROE派とアンチROE派の行方は、日本企業社会の未来を左右するに違いない。」と締めくくった。
 いい話を聞いた気分だ。自己資本利益率を高めるために、社員を減らしたり、給料は抑えて、一時的に利益を上げ、景気がいいと騒ぐ風潮を苦々しく思っていたので、この記事を読んで、納得し、明るい希望が湧いてきた。
 「人を大切にする経営学会」の発展を期待したい。アンチROE派の広がりを祈りたい。  
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by sasakitosio | 2014-09-04 07:52 | 朝日新聞を読んで | Trackback