新興国の新機関 国際金融の悪弊を正せ
2014年 08月 20日
今日は、この社説に学ぶことした。
社説は、「戦後とともに確立した国際金融秩序は、もう時代錯誤だ。新興5か国による独自の開発銀行は現状への問題提起となり得る。一方で中国が目指すインフラ投資銀行は覇権主義が色濃く賛成できない。
現行の国際金融制度は、大戦末期に連合国側が取り決めたブレトンウッズ協定に基づいたものだ。
すなわち国際的な危機に対応する国際通貨基金(IMF)や途上国の発展を支援する世界銀行を中心とした欧米主導の体制である。
両機関のトップは前者が欧州、後者は米国から選ばれるのが常だ。またIMFでは発言権に直結する出資比率について新興国分を引き上げ、理事会への登用を増やす改革案が2010年合意されながら、影響力を維持したい米国の議会が批准せず、棚上げ状態が続いている。
新興国側が不満を抱くのは当然である。」と切り出した
つづけて社説は「ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの頭文字をとったBRICS五か国の合計の経済規模は、今や世界の二割を占めるまでになった。先進国中心に国際金融体制を運営しようというのは、もはや時代錯誤である
IMFの金融支援の条件一つをとっても、緊縮財政や規制緩和、国営企業の民営化など、米国流の価値観の押し付けは通用しないはずだ。
韓国やインドネシアのようにIMF支援後に国民生活が疲弊する例が目立つのは、その証左である。
とはいえ、BRICSが独自に設立する開発銀行は、資本金500億ドルで本部を上海に置くという程度で未知数の部分が多い。5ヵ国は国内経済にも、また政治や外交面でも不安要因を抱えている。開発銀は既存秩序の改革を促す問題提起と受けとめることはできるが、どのような役割を担えるかは慎重に見極めなければならない。」と指摘した。
最後に社説は、「中国の習近平国家主席が東南アジアの歴訪先で提唱したアジアインフラ投資銀行については大いに疑問だ。
岸田文雄外相が「既存の国際金融機関が確立してきた高い水準のガバナンスと整合的に運用されるのか」などと問題点を指摘した通りである。
何より、日本が主導しアジア太平洋地域の経済発展に寄与してきたアジア開発銀行(ADB)に対抗し、中国が影響力増大を目指すものであることは明白だ。
国際金融制度は、地政学リスクが高まる今こそ悪弊を正し、公平で多様な価値観を反映する協調体制を築くべきだ。不毛な二重構造など避けねばならない。」と締めくくった。
社説が丸ごと教科書のような存在になり、ネットで用語から調べた。そして、 ブレトンウッズ協定が、金本位制で、固定相場せいであったことを知った。しかも、今は崩壊しているとのこと。
また、日本がIMFでも世界銀行でもアメリカに次ぐ出資国であり、とくにIMFには日本の財務省から、役職員がいっているとのこと。このことから、IMF発の日本の消費税上げのメッセージは、日本の財務省からの「こだま的メッセージ」のような気がしてきた。
また、中国の周近平国家主席が提唱したアジアインフラ投資銀行について、岸田文雄外相が「既存の国際金融機関が確立してきた高い水準のガバナンスと整合的に運用されるのか」などと問題点を指摘し、社説も同感している。
この点は、ADBの歴代総裁を出している日本の、中国への「不安・警戒」心の現われ、と取られないのだろうかと気になった。