憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

普通の人々の戦争とは

 8月13日付東京新聞社説に、「普通の人の戦争とは」との見出しで、戦争のことが載った。
 今日はこの社説を学習することにした。
 社説は、「戦争は机上のことでは無論ない。いったん起これば、わが身、我が家族、同胞のこととなる。戦争中に詠まれた俳句と、ある従軍日記を読んでみよう。
 戦時下の俳句は戦場、銃後を問わず戦争俳句と呼ばれるそうだ。
 それらを編集した「戦争俳句と俳人たち」(トランスビュー社)という本が今年出た。著者は俳句愛好家でもある樽見博さん。東京の古書街、神保町のビルの一室から「日本古書通信」という月刊誌を発行している。
 土地の利もあり、戦中の俳句同人誌を集めに集めた。古本市で一冊100円、捨てられそうなものも。薄い冊子でも積めば山となり自宅の6畳間いっぱいに。
 樽見さんは、父親が南方トラック島の通信兵で、当時のことはしばしば聞いていた。やがて思い立ったのが、戦争俳句から当時の世相、人々の心情は読み取れないかと言うことだった。ほんの一部だが、紹介しよう。」と切り出した。
 つづけて社説は、「日中戦争下には「支那事変三千句」があった。俳人山口誓子(1901~94)による選抜句をいくつか挙げると、
 ☆寒夜くらし暁ヶのいくさの時を待つ(長谷川素逝)
 ☆敵の屍まだ痙攣す霧濃かり(熊谷茂茅)
 ☆雪にきしむ軍靴ばかり夜を征けり(笠季雨)
 ☆霜の闇馬蹄にかけしもの想う(水見悠々子)
一番目の素逝は昭和12年、30歳で砲兵将校として大陸に渡っている。最前線での句は特に戦闘俳句と呼ばれた。
 また戦線の日常を詠んで、
 ☆寝る時のさむさに生きてゐるを思う(佐々木秋人)
 ☆落日をゆく落日をゆく真赤い中隊(冨澤赤黄男)
 ☆たき火たくわれふるさとの夜にゐぬ(柿田汀月)
 よんで皆さんは何を思われるだろうか。戦争を知る世代は思いも深いに違いない。戦争を知らない世代は、戦争がもたらすであろうさまざまものを少しは想像できるのではないか。
 いわゆる戦記文学と違って、一句ずつがずばりと胸を突いてくる。時代の空気は意識的にも無意識的にも反映されて、また厳しい言論統制も始まるが。
 本は有名句も収載する。昭和19年、教え子を送り出す中村草田男(1901~83年)の、 
 ☆勇気こそ地の塩なれや梅真白
 その「かどで」に際し無言裏に書き記したという。戦場でも自暴自棄にならず厳寒の白梅のごとき高潔と勇気をもて、と
 有名無名を、を問わず、戦争俳句は一句ごとがその人の戦争なのである。それらが無数のごとくある。」と教えてくれる。
 さらに社説は、「次にある兵士の軍隊手帳を紹介しよう。NHK岐阜放送局高山市局の記者中村利数さんが父親の遺品の中に見つけた。“オヤジ”は22歳の時、中国戦線の山砲隊上等兵だった。
 記述は生々しく、最初弟と妹と自分の三人だけで読んだ。
 しかし、報道に携わる者として、活字にできない部分はほんの少しあるものの、やはり一切を伝えねばならないと心を決め、昨年8月地元で出版した(「一戦傷奉公杖」高山市民時報社)。
 内容は馬の世話、弾薬運び、兵舎の暮らし、そして戦闘など。手帳の終わりは以下のよう。
 <裏の部落に敵6名突撃しきたる。1人殺し我等もつき込む。ものすごい戦闘だ。同郷の平塚氏又脇坂氏負傷する。小雨は間断なく降り一層時雨れて来る・・> 
 激しい抵抗に遭い、
 <敵ながら天晴だ。今夜は炊飯もできない。体は濡れて寒い。6時幕舎に休養>。
 負傷し帰還。
 俳句同様、戦時に日記も無数にあったはずだ。
 歴史書がただ日中戦争とか、太平洋戦争と記そうとも、戦争は当然ながら人の数だけあったのである。口伝もあるだろうし語りえぬむごさもあるだろう。」と教えてくれる。
 最後に社説は、「集団的自衛権の議論は私たちが戦争をより実際的に考える機会ともなった。自衛の必要は当然のことながら、法律論に加え戦争と人間の直接の関係も考えなければならない。それは感情論などと容易に退けられるようなことではなく、戦争とは何か、人間とはなないか、つまり私とは何者かを問うことにほかならない。
 そのためにも、自分と同じ普通の人は、戦争をどう感じ、どう考えたのか、知るべきだろう。
 現にガザやウクライナなどで戦闘は起き、それをどうわが身、わが国に近づけて考えるのか。日々のニュースの中で、兵士は殺し殺され、多くの住民も犠牲になっている。
 戦争を議論するなら、まず直視し感じねばならない。」と締めくくった。
 大変に勉強になった。リアルに戦場を見るようだった。
 たまたま、8月10日後9時からのNHKスペシャルで「60年目の自衛隊 ~現場からの報告~」を見た。陸上自衛隊幹部学校の訓練、校長先生の人間味あふれる話しぶり、海自佐世保地方隊の総監の素晴らしい「退官挨拶」。
 NHKの映像で見て、爽やかで、規律があって、人間味のある上官、そんなエメージを得た。これを見た親子は自衛隊へ入るかもしれない、と思った。
 しかし、現実の戦場は、社説に載った「俳句や戦場日記」をみて、命のギリギリの場であることがわかった。
 社説の言う通り、確かに兵士の数だけ、人間の数だけ戦争がある。
 しかも、自分の意思では、どうにもならない状態に追いやられ、理不尽で不慮の死に合わされるのが戦争だ。
 始まったら、なかなか止められないのが戦争だ。
 あらためて、戦争は絶対してはいけない、させてはならない、ことだと思った。 
[PR]
トラックバックURL : http://sasakitosi.exblog.jp/tb/21009742
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by sasakitosio | 2014-08-16 06:41 | 東京新聞を読んで | Trackback