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by sasakitosio

いつもの夏と違って 原爆忌に考える

 8月6日付東京新聞社説に、「いつもの夏と違って」の見出しで、原爆忌のことが載った。今日はこの社説を学習することにした。
 社説は、「今年の長崎平和宣言には、集団的自衛権への懸念が織り込まれます。日本と世界の未来がどうなるか。被爆地は、その体験から鋭く感じ取っています。
 広島平和記念公園の中心で、平和の灯が揺れています。
 傍らに立つ「原爆の子の像」の周りには、色とりどりの折り鶴が絶えません。
 モデルのサダコは被爆から10年後に白血病を発症し、回復を願って小さな鶴を折りながら、短い生涯を終えました。
 毎年特に8月6日が近づくと、全国から無数の鶴が寄せられます。この夏はいつもの年より多いような気がします=写真。
 大阪府吹田市にある保育園の保護者と職員の皆さんは「子どもたちに平和な世界を!」と題する寄せ書きを添えました。
 「核兵器はいらない。集団的自衛権の行使も認めないぞ!!」
 手書きの文字の端々に、不安と不信、危機感がにじんでいます。母親たちはここへきて、ただ平和を祈るだけではありません。子どもたちの未来を奪う戦争の過ちを、私たちが二度と繰り返させないと、サダコの前で誓いを新たにするのでしょう。」と切り出した。
 つづけて社説は、「長崎市の田上富久市長は、9日の平和記念式典で読み上げる長崎平和宣言で、集団的自衛権の行使容認に触れ、戦争につながるものと懸念を表明します。
 長崎の平和宣言は、起草委員が集まって、議論しながら内容を詰め、一遍の文章に編み上げる。
 委員は、学識者、被爆者、関係団体の代表など15人。今年は3回の会合が開かれました。
 昨年は、式典に列席した安倍首相の面前で、「被爆国の原点に返れ」と政府を批判しました。
 今年5月の一回目の会合で長崎市が示した文案には「集団的自衛権」の6字はありませんでした。
 政権を支持する議員が多くを占める市議会との関係が、市長を悩ませたと言われています。しかし、委員の側から「さけては通れない」との声がこもごもあがり、市長は受け入れました。
 なぜ起草委員はそこにこだわったのか。
 「被爆地の権利と義務だから」と田上市長の背中を押した委員の一人、元長崎大学学長の土山秀夫さん(89)は語ります。
 土山さんは7人きょうだいの末っ子です。大戦中は爆心地に近い長兄の自宅から、長崎医科大学(現長崎大学)に通っていた。
 母親が佐賀県の親類宅で病気療養中だった。1945年8月7日、「ハハキトク」の電報が舞い込んだ。ところが鉄道の切符が取れず、9日朝7時の汽車にようやく乗り込んだ。原爆投下は午前11時2分。間一髪でした。
 母親は持ち直し、長崎へ取って返した。二つ前の道ノ尾駅で電車が止まり、原子野に一週間とどまって、救護活動に従事した。地獄絵の中にいた。
 家は吹き飛ばされていた。当時としては珍しく、兄嫁がピアノを持っていた。がれきの中から熱線で焼けたピアノ線が見つかった。近くから黒こげになった長兄の遺体を掘り出した。幼い子供二人を含む家族4人を失った。
 当時の政府がもう少し早く降伏を決断していれば、そもそも戦争など始めなければ、原爆は落ちていない。広島と長崎は愚かな政治の犠牲になった。だから今、政権にもの申す権利がある。
 自衛の名目で始めた戦争が最後にどこへ行き着くか、世界中でヒロシマとナガサキだけが、知りすぎるほど知っている。今の為政者たちに足りない、圧倒的な経験知をもっている。だから、訴える義務もあるのだと~。」と教えてくれる。
 最後に社説は、「平和とは空気ようなものでしょう。誰かに無理やり鼻と口をふさがれて、抵抗して解放されて、胸いっぱい吸い込むことができて始めて、本当の価値が、わかるものかもしれません。
 広島の平和宣言も、松井一実市長が就任した3年前から、公募した体験談を詳しく織り込むようになりました。体験の重さを全国の若い世代に強く訴えたいと。
 大切な空気がよどみ始めているのを、母親たちも感じています。
 重い真実の歴史を背負う被爆地が世界に向けて贈る言葉に、この夏は、いつにも増して、じっと耳を傾けます。」と締めくくった。
 読んで勉強になった。 
 最近やたら、有識者会議というのを耳にする。そのほとんどが、「有識者会議、出た結論の平凡さ」と言う川柳を地でいっている。が、長崎の平和宣言起草委員15人は、文字通り有識者のような気がしてきた。
 社説で、元長崎大学学長・土山秀夫さん(89)の、被爆体験を知り、「自衛の名目で始めた戦争が最後はどこへ行き着くか、世界中でヒロシマとナガサキだけが、知りすぎるほど知っている」との言葉に、説得力と重みを
感じた。

 
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by sasakitosio | 2014-08-10 07:29 | 東京新聞を読んで | Trackback