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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

千年の草原

 7月24日付東京新聞朝刊29面に、「本音のコラム」という署名入りの囲み記事がある。筆者は。法政大教授・竹田茂夫氏だ。今日はこの記事に学ぶことにした。
 筆者は「阿蘇の広大な草原は千年にわたって野焼き・放牧・採草などがおこなわれ、「半自然草原」として維持されてきた。多様な植物の宝庫であり、生態・生産・生活が一体となったコモンズ(共有地・共有資源)の成功例だが、阿蘇草原再生協議会の高橋佳孝氏は、担い手の高齢化や相次ぐ離農で草原は現在危機にひんしているという。」と切り出した・
 つづけて筆者は、「そこで、都市のボランティアが野焼きに参加したり、外部のNPOが放棄地を買い上げて採草に乗り出したりするなど、外部との連携と協力が重要になるわけだ。さらに、草原は生態系・景観・文化遺産として国民が等しく恩恵を享受できる公共財であるとすれば、直接支払いや行政支援など国や県が援助することも必要となる。」と指摘した。
 さらに筆者は、「岩手大学の山本信次氏は、「草刈十字軍」や「森林クラブ」「東京の木で家を造る会」などの例をひいて、地元の手に余る各地の入会地を都市住民の森のボランティアが開かれたコモンズへ変えてきたことを報告している。」と教えてくれる。
 最後に筆者は、「コモンズとは持続可能な生業であり、本来息のながいものだ。現代では生物多様性や生態系の維持という重要な役割が加わる。短期的視野しか持てない株式会社に第一次産業への参入を野放図に認めれば、グローバル化の圧力で環境や生態系や文化遺産は蚕食されてしまう。」と、締めくくった。
 コモンズで維持されている第一次産業に、株式会社の参入を野放図に認めれば、グローバル化の圧力で環境や生態系や文化遺産は蚕食されてしまう、との筆者の危惧は理解できた。
 そのうえで、手賀沼散歩でも見かける、休耕田の勿体なさ、は解消したい。街中の放置された「空き屋」も社会資産の視点では、使って生かされなければ、勿体ない。
 一次産業が産業として成り立たないのであれば、生態系や文化遺産の保存の視点で、所有権の見直しが必要のような気がした。
 たとえば、空き屋も、休耕田も、市町村に管理処分権を与え、清算金は供託して元の所有者間で分配する、そんな立法処置はできないものか?
by sasakitosio | 2014-07-27 15:49 | 東京新聞を読んで | Trackback