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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

異論許さぬ異常さ

 7月20日付東京新聞朝刊1面に、「秘密保護法 言わねばならないこと 集団的自衛権」という、署名入りの囲み記事がある。筆者は、言論法学者で専修大教授・山田健太氏だ。
 今日はこの記事に学ぶことにした。
 筆者は、「中世以降、情報の流れは支配者から市民への一方向しかなかった。情報公開制度ができ、インターネットも普及したことで、政府と市民が情報を共有する新しい市民社会ができる環境は整った。それなのに、情報隠蔽法ともいえる特定秘密保護法という逆方向の流れができ、愕然としている。」と切り出した。
 つづけて筆者は、「今年になって、漫画「美味しんぼ」の表現をめぐる問題が起きた。内容が事実かどうかはともかく、漫画の表現を閣僚がこぞって批判した。
 沖縄県の自衛隊基地に関する琉球新報の記事で、防衛省が日本新聞協会に抗議した。
 政府が異論を許さない強い態度を示している。戦後にはなかった異常さだ。」と指摘した。
 さらに筆者は、「秘密保護法では、特定秘密の指定をチェックする機関が政府内に置かれる。内閣官房の「保全監視委員会」と内閣府の「情報保全監察室」だ。17日にその具体像が示されたが、身内の形式的見張りにとどまる恐れがぬぐえない。このままでは秘密の監視ではなく、現場の決定を追認する組織になりかねない。」と指摘した。
 最後に筆者は、「この法律には反対だが、できてしまった以上、歯止めなく秘密が拡大されないよう、監視組織が政府を見張る必要がある。そのためにはメンバーの人選や組織面での独立性が欠かせない。調査に強い強制力を持たせることも重要だ。
 こうした条件は、国会の情報監視審査会にも当てはまるのに、与党は最低限の条件も満たさない審査会を設置。司法も沖縄返還をめぐる密約公開請求訴訟の最高裁判決で、あるはずの文書について政府の説明責任を免除した。
 国会や司法に期待できないなら、ジャーナリズムを含めた市民社会の力で監視するしかない。」と締めくくった。
 よんで刺激になった。
 一つは、政府と市民社会が情報を共有できる環境が整った。それなのに情報隠蔽法ともいえる特定秘密保護法ともいえる特定秘密保護法という逆方向の流れができた、このことをどのように考えればいいのか?
二つには、政府が「異論を許さない」という強い態度をしめしていることは、どのようの考えればいいのか?
 為政者は、古今東西、事の大小をとわず、被支配者をだまし続けて権力を維持しているのではないか?だから、その「だましのテクニック」を知られることを恐怖しているのではなかろうか?
 また、異論を許さないという「強い態度」は、国民主権・民主主義・マスディアの監視で、国民を知的にはだまし続けられないいらだちの現れではないか? 
by sasakitosio | 2014-07-22 07:26 | 朝日新聞を読んで | Trackback