憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

1914年が映す東アジア

 6月3日付朝日新聞社説下に、「社説余滴」という署名入りの囲み記事がある。筆者は、国際社説担当・沢村亙氏だ。今日はこの記事に学ぶことにした。
 筆者は、「「1913年」。そんな題名の本がドイツで売れている。
 精神分析学者フロイトの書斎にネコが迷い込んだ。ミュンヘンでヒトラーというさえない画家が絵はがきを売っていた。プルーストの小説「失われた時を求めて」第一編が刊行されたーーー。著名人の本や日記を引いてつづられる日常の世相。読者は、翌年に勃発し、2千万もの人命を奪ったとされる大戦の「予兆」がどこかに潜んでいないか、探し求めるのだという。
 いま欧州で第一次世界大戦論がブームだ。開戦100年という理由だけではない。
 1914年6月にサラエボで起きたオーストリア皇太子夫妻暗殺事件。その2か月後には、だれも予期しなかった世界大戦に突入していた。
 開戦前夜まで、大国は「同盟」の網の目を張りめぐらし、貿易で結びついていた。パワーバランスが保つ重苦しい平和の下、経済は繁栄し文化が爛熟した時代。ナショナリズムと「リセット」を渇望する空気が広がった。」と教えてくれる。
 つづけて筆者は、「冷戦終結から4半世紀になるいまどこか似ているのではないか。ウクライナの混乱と東アジアの緊張が、人々に動乱を予感させているのだ。
 ドイツの歴史学者マルクス・ペールマン氏は「紛争を調停する多国間枠組みの存在など当時と今は違う」と前置きしつつ、台頭する新興パワーへの伝統パワーの「不安」という国家心理に注目する。100年前、ドイツの台頭への他の列強の不安は、拡大する欧州連合(EU)へのロシア、軍事大国化する中国への周辺国のそれと重なる。、と。」と教えてくれる。
 さらに筆者は、「ひとたび衝突の火花が散ると、「同盟」や「条約」でがんじがらめになっていた各国の指導者は戦争回避への柔軟な対応が取れなかった。「抑止」のはずの有事メカニズムが動き出し、夢遊病者のように戦争へ突き進んだーー。
 やはり欧州で話題の本「夢遊病者たち」でクリストファー・クラーク英ケンブリッジ大教授が描く開戦当時の状況は、「同盟」「抑止」に寄りかかる今の日本ともだぶる。」と、指摘した。
 最後に筆者は、「ベルリンで最近開かれた討論会は、「1914年と東アジアの緊張」が議題だった。戦争へのどんな備えも、外交対話や、ナショナリズムの暴走を止める政治に及ばない。そんな教訓が議論された席でシュタインマイヤーー独外相は「歴史は繰り返さない。なぜなら、こうして過去に学べるからだ」。さて私たちは学べるだろうか。」と締めくくった。
 読んで勉強になった。 
 特に、「パワーバランスが保つ重苦しい平和の下、経済は繁栄し文化が爛熟した時代。ナショナリズムと「リセット」を渇望する空気が広がった」との指摘、
 「ひとたび衝突の火花が散ると、「同盟」や「条約」でがんじがらめになっていた各国の指導者は戦争回避への柔軟な対応が取れなかった。「抑止」のはずの有事メカニズムが動き出し、夢遊病者のように戦争へ突き進んだ」との指摘は共に、今の日本の現状認識にピッタリ合い過ぎて怖い気がした。
 
[PR]
トラックバックURL : http://sasakitosi.exblog.jp/tb/20795305
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by sasakitosio | 2014-06-10 06:53 | 朝日新聞を読んで | Trackback