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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

「カギになる道標」とは?

 5月4日付東京新聞社説横に、「太郎の国際通信」という署名入りの囲み記事がある。筆者は、ジャーナリスト・木村太郎氏だ。今日はこの記事に学ぶことにした。
 筆者は、「「キー・マイルストン」と言う言葉にひっかかった。
 「本日、両国は、TPPに関する2国間の重要な課題について前進する道筋を特定した。これは、TPP交渉におけるキー・マイルストンを画し、より幅広い交渉への新たなモメンタムをもたらすことになる」
 先月25日に発表された日米共同声明の中でも最も注目されたTPPに関する部分だが、この外務省訳では交渉がどれほど進展したのかさっぱりわからない。
 とくに「キー・マイルストン」を画しと言う部分、直訳すれば「カギになる道標を設置した」ということだが、具体的になにを達成したのか理解できない。もしかしたらあえて分からないように英語で表記したのかとかんぐってしまう。
 そこで英語版を繰ると「TPP交渉の突破口を見つけた。これは画期的なことで、各国を巻き込んだ交渉にはずみをもたらすことになるだろう」とも読めた。
 そうなら、TPP交渉は甘利大臣が渋い表情で「大筋合意ではない」と説明したよりは、現実には前進していたのではなかろうか」と切り出した。
 つづけて筆者は、「その疑問を近着のワシントン情報誌のニューズレター「ワシントン・ウオッチ」が解明してくれた。
 それによると、米通商代表部(USTR)のフロマン代表は、東京からソウルへ向かうエアーフォースワン(大統領専用機)内で同行記者団に「日米は市場アクセス問題でブレークスルーに達した(打開した)」といったという。
 さらに「それは関税率を引き下げる範囲を確定できたということか」という記者団に、フロマン代表は「その通りだ。範囲と言うのは今回の到達点を示すのにいい言葉だ」と答えたと「ワシントン・ウオッチ」は伝えている。
 この到達点こそが「キー・マイルストン」だったのではなかろうか。
 つまり、日米間で例えば豚肉の関税をX%とY%との間で決着することで既に「落としどころ」のメドがついているということになる。」と教えてくれる。
 さらに筆者は、「しかしTPPには厳しい守秘義務があるので、それを「大筋合意」と発表しながら具体的な内容を公表しないでいると、日米両国の議会や業界からの批判がたかまり今後の交渉がやりにくくなる。そこで、日米両政府が口裏を合わせて共同声明はあいまいな表現にしたと勘ぐる向きがワシントンにもいるらしい。」と教えてくれる。・
最後に筆者は、「オバマ大統領はTPPの成果を「米国の輸出拡大、雇用創出の機会になる」と中間選挙でアピールしたい考えだと「ワシントン・ウオッチ」は見ているが、そのためには9月までにTPP交渉の合意を取りまとめなければならない。
 その場合、今月シンガポールで開く予定の関係閣僚会合で合意の道筋が見えてくるはずだが、今度はどんな言葉でお茶をにごすのだろうか。」と締めくくった。
 読んで面白かった。アメリカの紙誌からの情報で、より正確に分かることは、これからの日本の政治経済を読み説くのに、ものすごく役に立つ。ただ、為政者が支持者・利害関係人をだまして物事を進めようとする、性根が何とも腹立たしい。
 
by sasakitosio | 2014-05-11 08:56 | 東京新聞を読んで | Trackback