憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

枯れゆく海が語る「近視眼」

 5月4日付朝日新聞朝刊2面に、「日曜に想う」という、署名入りの囲み記事がある。筆者は、特別編集員・冨永格氏だ。 今日はこに記事に学ぶことにする。
 筆者は、「近頃の鯨のベーコンは薄さを極め、透き通る脂は希少性を映してまぶしい。南極海での調査捕鯨が禁じられて早やひと月。国際司法裁判所で「有罪判決」を聞きながら二つ思った。異なる食文化への無理解と、水産国の落日だ。
 寂しく宣告に従う日本を尻目に、ノルウェ―は商業捕鯨を続けている。聞けばこの国、ただの頑固ものではなく、海の幸を守る熱意と知恵では世界のお手本らしい。本当か。フィヨルド観光で知られる港町ベルゲンに飛び、ノルウェー漁業販売組合を訪ねた。
 ニシン、サバ、シシャモなど外洋の水揚げはすべて組合運営のネット競売に付される。数百隻から届く漁獲速報を世界のバイヤーが待ち受け、商いは年10億ユーロほどになる。さらに名高いのが、船ごとの漁獲割り当てだ。科学的な調査をもとに毎朝、漁民を交えて決めた数字は絶対の重みをもつ。
 クヌット・トルゲノス販売部長(58)は「厳しい枠を守る方が結局は得。自然の恵みに長く浴する工夫です。」と言う。漁師は量より質にこだわり、安い幼魚で枠をむだに使うことはない。資源を手堅く管理すれば先々の安定収入が見込める。だから漁船や加工場への投資が促され、地域は潤う。後進も育つ。北海油田の仕事と並び、漁師は若者に人気の職だという。」と教えてくれる。
 つづけて筆者は、「組合の扱うサバの半分は、日本で最終消費される。在欧の日本人らに冷凍魚を宅配する北海水産(オランダ)も、サバは全量ノルウェー産だ。「冷たい海で育つので脂がのる。違いは塩焼きにすれば分かります」(マリナス・ノ―デンボス社長)
 輸入魚は、国内の不漁を埋めるように広まった。かって北の海に大群で押し寄せたニシンが典型だが、不漁の背景には乱獲がある。カズノコはもはやカナダから高く買うしかない。
 「甘い小遣い(漁獲枠)は、いずれ家計(水産資源)を追い込みます」。
 マルハニチロで海外買い付けが永い片野歩さん(50)は明快だ。
 日本もサンマやサバなど7種に緩めの漁獲枠を設けるが、豊漁だと期中に広げてしまう。他船に取られるくらいならと小さな型まで拾うから、サバの三割は養殖魚などの餌になるそうだ。
 種火にあたる産卵群や幼魚まであさる結果、資源は枯れていく。
 「取れるだけ取る、そんなソウラン節と大漁旗の記憶を脱せず、みすみす魚を根絶やしにしている。船ごとの割り当てに踏切べきです。」と片野さん。
 時間をかければ魚影は戻る。もともと近海は世界屈指の漁場。わが国の科学技術を駆使すれば、豊かな海を天然の養殖場のように営めるはずだ。」と指摘した。
 さらに筆者は、「ノルウェ-は、あえて欧州連合の外に身を置く特異なお国柄。油田の強みもあろうが、捕鯨のみならず「己の流儀」への自信は深い。地球と未来を見据えた水産管理は好例といえる。
 体に良いことが世に知れ渡り、一人あたりの魚消費は半世紀で倍増した。片や敵なしだった日本の水揚げはピーク時の4割に。魚の価値に気づかれたかと嘆いても遅い。お金を積んでも好きに手に入らない時代が近い。」と教えてくれる。
 最後に筆者は、「海での無策を知るほどに、何かと長期の視点。世界的な視野を欠く日本の「近視眼」に思い当たる。
 最たるは憲法見直しの論議だろう。ジュゴンのように絶滅が危ぶまれ、希少性が高まる不戦の誓いである。諸大国が我が思想に追いつくまで、でんと構えていればいいものを。一方環境や自然エネルギーでは人類を幸せにできる力を秘めながら、原発をはじめ腰の据わらぬ対応が目立つ。変えるべきものを取り違えていないか。
 食料の安全保障を考えれば、農水産は究極の戦略産業だ。13億の胃袋と舌が食に目覚めた中国は、ブラックホールのように輸入に走るだろう。その意味でも脅威である。コメと同じ覚悟で魚を守りたい。孤島の領有を争い、艦隊で張り合うだけが海ではない。」と締めくくった。
 読んで、大変勉強になった。まずは、ノルウェーの水産業に感動した。「商業捕鯨を続けていること」、「船ごとの漁獲割り当てを毎朝、漁民を集めて決めていること」、の二つだ。
 また筆者の、「最たるは憲法見直しの論議だろう。ジュゴンのように絶滅が危ぶまれ、希少性が高まる不戦の誓いである。諸大国がわが理想に追い付くまで、でんと構えていればいいものを。一方、環境や自然エネルギーでは人類を幸せにできる力を秘めながら、原発はじめ腰の据わらぬ対応が目立つ。変えるべきものを取り違えていないか。」の指摘は、全面的に共鳴する。
 だが、どうしたら、為政者をして「筆者のような考えの持ち主」に変えることが出来るか、それが問題だ!!
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by sasakitosio | 2014-05-11 07:02 | 朝日新聞を読んで | Trackback