憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

近代工業の光と影

 5月1日付東京新聞朝刊23面に、「本音のコラム」という署名入りの、囲み記事がある。筆者は、法政大教授・竹田茂夫氏だ。今日は、この記事に学ぶことにした。
 筆者は、「富岡製紙工場が世界遺産に選ばれるという。だが、和食、富士山、そして富岡といわんばかりの受け止め方には違和感がある。富岡製紙工場は明治初期に先進技術導入をはかった国家事業であり、その優れた労働環境は例外的なものだった。」と切りだした。
 つづけて筆者は、「19世紀が終わるころには、細井和喜蔵の渾身の「女工哀史」や山本茂実の「あゝ野麦峠」に描かれた、繊維産業の過酷な工場労働が広がりつつあった。富岡が民営化され労働が厳しくなるのもそのころだ。殖産興業の栄光の産業史は前近代的な労働条件に耐えた民衆の生活史から切り離せない。」と、指摘した。
 さらに筆者は、「20世紀初頭に温情主義経営の鐘紡や倉敷が労働者の待遇改善に乗り出したのは、そのような背景があったからだ。同時期、米国の工場でも親方が日雇い移民労働者を罵声と暴力で駆り立てたが、見かねた社会事業家や慈善家の努力でようやく1920年代一部の大企業で米国流の福祉資本主義が生まれた(ジャコーピィ「会社荘園制」)
 最後に筆者は、「過酷な工場労働は昔の話ではない。1年前、バングラデッシュで安全基準を無視した工場ビルが倒壊し、1000人以上の労働者が犠牲になった。多くは若い女性だった。先進国のファッションは途上国に産業と雇用を提供するが、国際的監視と実効ある労働規制がなければ構造的暴力をかれらに振るうことになる。」と結んだ。
 マスコミでは、筆者の違和感を感じるという、和食、富士山、富岡の浮かれようだ。これは、筆者の思いを広く国民に伝える「チャンス」にしたいものだ。
 存在の今は、好ましきものも、忌まわしきものの、すべて先人達の遺産だ。それぞれの遺産の真の姿を、時空を超えて「心の鏡」に再現し、孫子に伝えたいと思った。
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by sasakitosio | 2014-05-06 20:16 | 東京新聞を読んで | Trackback