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by sasakitosio

福島原発で更迭・辞任 あの経産省・東電幹部らは

 3月16日付東京新聞朝刊26面・27面に、「こちら特報部という紙面がある。その見出しがスゴイ。
「 引責のはずが天下り、 「重い十字架」はんせいは?」の大見出し。
「 「勧奨」扱い、退職金上乗せ、  福島の被害「お気の毒ですが・・・」言葉少な、 「「利害関係強すぎる」、  「避難住民逆なで」    」の中見出し。
 筆者は、荒井六貴氏だ。今日はこの記事を勉強することにした。
 記事は、「福島原発事故から3年。原発政策を推進し、事故当時に経産省=写真上=や東京電力=同下=幹部だった面々はその後、大手企業などに天下りや再就職している。住民13万人以上が避難したままで、「原発関連死」は千人を超えた。彼らは今何を思うか。」と読者・原発被害者・脱原発論者等等、誰でも知りたいこと、、関心を持つこと、で切り出した。
 つづいて記事は、「「応答できませんので、お帰り下さい」今月8日の土曜日の午前。神奈川県内の松永和夫・元経済産業事務次官宅を訪ねた、インターフォンで事故から3年の心境を尋ねると、その言葉だけが返ってきた。
 当時、経産省の事務方トップだった松永氏は2011年8月、後手にまわった事故対応や、やらせシンポジウム問題の責任を問われる形で、就任からわずか1年で更迭された。
 被害者に「大変申し訳ない気持ちでいっぱいだ」と語った。
 7か月後、松永氏は、大手損害保険会社「損保ジャパン」の顧問に就任するなど、計4社の顧問と社外取締役に就いた。
 社外取締役として迎い入れた「住友商事」は「誠実な人格と高い見識があり適任と判断した」と説明する。
 11年8月、松永氏とともに資源エネルギー庁の細野哲弘・元長官と、旧保安院の寺坂信昭・元院長の二人も更迭されている。
 松永、細野、寺坂、の三氏は、勧奨退職の扱いとなり、自己都合退職より退職金は1000万以上も上乗せされ、6千万~8千万程度が支払われたとみられる。
 細野氏はみずほ銀行の顧問と、みずほ銀行が約4%の株式を保有する興銀リースの社外取締役に収まっている。
 細野氏は取材に「現地の人はお気の毒と思いますが、申し上げることはありません」と話し、事故の責任については「組織に聞いてください」とだけ答えた。
 細野氏は、東電の損害賠償支援スキームを作成した中心人物だ。
債権者の大手銀行や株主を免責し、国と電力会社などの出資で設立した原子力損害賠償支援機構が必要に応じて東電に資金を注入するというもの。
 東電の経営破綻を回避し、事実上、国民の電気料金や税金で支えるという仕組みだ。
 東電の有価証券報告書によれば、みずほ銀行は約5300億円を東電に長期で貸し付けている。持ち株比率8位の大株主でもある。東電が経営破綻すれば、債権や株を失う恐れがでる。
 東京ガス子会社の東京エルエヌジータンカーなど3社の顧問に就任した寺坂氏に取材したが、「申し訳ございませんが、取材には答えられません」とことば少なだった。
 緊急迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の情報の公表が遅れた問題で、寺坂氏は国会事故調で「公表されていれば、住民の避難方向などの参考になったかもしれない」と無用な被ばくが拡大した可能性を認めている。
 原発事故後、旧保安院のスポークスマン務めた西山英彦・元審議官。 女性問題が報じられ、停職1か月の処分を受けた。その後、環境省の福島除染推進チームの次長を務め、13年6月に退職した。その3か月後、自動車部品メーカー「矢崎総業」に入社し、企画室主査についている。
 さらに記事は、「一方の東京電力。社内で絶大な権力を握っていた勝俣恒久・元会長は12年6月に「経営責任を取る」として退任。その後も、東海原発などを運営する日本原子力発電(原電)の社外取締役を務めていたが、13年6月にここも退いた。
 自宅にうかがうと、勝俣氏の妻は「取材は受けないことになっている。今は(仕事は)しておりません。(東電に)行ってもおりません」と話した。
 勝俣氏は11年3月30日の記者会見で「社会に心配、迷惑をかけた。」としたが、対応の不手際を問われると、「まずさを感じていない。電気、通信が途絶える厳しい環境のため、作業が遅れた」と反論した。
 事故直後の陣頭指揮を執った清水正孝・元社長は、3月29日に体調不良を理由に入院、4月7日に復帰した。事故から一か月以上過ぎてから、福島を訪れ、避難住民に直接、謝罪。「皆さんが、早く故郷に戻れるよう全力を尽くした。」と土下座した。
 「重い十字架を背負う覚悟」と発言した。
 清水氏は11年6月、「広く社会に迷惑をかけたことを鑑み、私がまず、けじめをつけるのが筋と判断した」と辞任。
 一年後に、東電が筆頭株主の富士石油の社外取締役に就任している。清水氏の自宅を訪れたり、会社を通じ取材を求めたが、締め切りまでにコメントを得ることはできなかった。」と教えてくれる。
 さらに続けて記事は、「元経産官僚の古賀茂明氏は「経産省の3人は原発政策を推し進め、事故対応や汚染水対策でも初動でミスを重ねた責任がある。退職金を割り増しされた上に、天下りもして、逃げ切ったという感じだ。経産省は誰も責任を取っていない」と指弾する。
 「細野氏がみずほ銀行に天下りしたのも驚きだ。みずほ銀行は利害関係者そのもの。細野氏が東電の破綻回避のスキームをつくり、みずほクループの債権を守った。」と指摘する。みずほ銀行の広報担当者は「(スキームとは)関係ない。経営全般の助言をお願いするため招いた」とする。
 古賀氏は「福島復興に協力する国民の善意を悪用し、銀行を助け、国民にツケが回された形だ」、と解説する。
 天下り問題に詳しい兵庫県立大大学院の中野雅至教授は「能力本位の天下りならば、否定しないが、能力以外の力学が働いているように見える。しがらみのある天下りは、公正な行政をゆがめることになる」と危惧する。「生活に困窮している避難住民の思いを重視していないということだろう」と話す。
 政策研究大学院大学の福井秀夫教授(行政法)は「東電幹部の再就職先も問題だ。東電は国から事業の独占を許され、国のてこ入れで成り立つ会社だ。「民間」から「民間」に移るから構わないというわけにはいかない」と批判する。
 松永、寺坂、勝俣、清水の4氏らは、避難住民らでつくる福島原発告訴団に12年6月、安全対策を取らずに原発政策を進めて事故を起こしたなどとして、業務上過失致死傷罪で告訴された。検察は不起訴にしたが、検察審査会で処分の妥当性を審議している。
 告訴団事務局の地脇美和(43)は憤る。「避難住民は、補償の問題でいがみ合ったり、経済的に苦しかったり、傷ついている。天下りする人は、自分はたまたま運が悪かった程度にしか思っていないのだろう。事故の責任が問われないのは、許せない。退職金や報酬を差し出してもらいたいぐらいだ。」」と締めくくった。
 こういう取材がなされ、記事が掲載されることこそ、報道陣の鏡だろうと思った。原発による被災者を、同じ人間と思う想像力に欠けているとしか言いようがない「人々」だ。
 これは、戦争中に中国人や韓国人を、日本人と同じ人間と思わなかったことで残虐な仕打ちができた、と同じ精神構造だ。こんな指導者に退職金の割り増しをする「公務員組織」、こんな指導者をありがたく「天下り」させる「企業組織」、
みんなみんな腐っている。
 これをそのまま、指弾できない「国会・国会議員」は無用の長物だ。
 日本の社会全体が制度疲労、劣化してしまったようだ。
 一人一人の人間を同じ価値ととみて、一人一人の人間の可能性を同質とみて、一人一人のチャンスは同等にする、そんな人の社会を、作り直さなければならない「領域」に、日本は入ったのかもしれない。人間の欲という厄介だが強力な「エンジン」を、同じ人間がコントロールするという、難事と折り合いをつけながらだが。
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by sasakitosio | 2014-03-22 20:53 | 東京新聞を読んで | Trackback