憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

「武器禁輸よさらば」の軽さ

 3月16日付朝日新聞2面に、「日曜に想う」という、署名入りの囲み記事がある。筆者は、論説主幹・大野博人氏だ。 
 今日はこの記事に学ぶことにした。
 筆者は、「「腐敗は武器取引につきもの」英国のNGO反武器取引キャンペーン(CAAT)の幹部、サイモン・ヒル氏はそう話し出した。約6年前、英国からサウジアラビアへの武器輸出をめぐるスキャンダルについて聞いたときのことだ。
 問題になったのは、1985年に調印された契約。戦闘機の売却や維持など長期にわたる内容で総額460億ポンド(約7兆5千億円)以上。その制約のために英軍需大手がサウジの有力王族に数千億円という途方もない賄賂を贈っていたという疑惑だ。捜査当局は真相に肉薄したとされる。だが、英政府が2006年「国家の安全」を理由に捜査を打ち切らせた。取材したのは、それをCAATや有力紙が再び明るみに出しつつある頃だった。」と切り出した。
 つづけて筆者は、「武器取引の実態はたいてい闇に包まれる。最先端の軍事技術を理解するには高度な専門性が必要だ。また、その情報の多くは国家機密とされる。
 たしかにそんな何重もの分厚い壁に隠された世界は腐敗の恰好の温床にちがいない。しかも、その追求さえ「国家の安全」という口実で阻まれる。
 ヒル氏は、軍需企業によるアフリカの貧しい国への航空管制システムの売り込みにも触れた。「空軍なんてないに等しい国だ。閣僚への賄賂の結果だろう」。不要で高価な買い物によって、医療や教育に欠かせないはずのお金が人々に回ららなくなる。
 「武器で殺害されなくても、人々は武器取引の結果死ぬことになる。」」と教えてくれる。
 さらに続けて筆者は、「自動小銃の実弾を「プレゼント」されたことがある。
 99年6月、旧ユーゴ・コソボの田舎道。当時、コソボ紛争が一応停戦になった直後だ。ロシア軍部隊や北太平洋条約機構(NATO)軍が進駐して治安維持にあたっていたが、取材に回ると、負けて撤退したはずのセルビア民兵やユーゴ連邦兵士が抜き身のナイフや銃を手にあちこちで検問に立ち、私たちを誰何した。「どこの記者だ」「どこへいく」
 空気を和ませようと「日本はユーゴを爆撃したNATOに加盟していないんだ」「戦争が終わったんだから帰郷できるじゃないか。よかったね。故郷ではどんな仕事をするの」などと話しかけた。すると、連邦兵士が「お前はいいやつだ。受け取ってくれ」と差し出したのが実弾。面食らったが、異様な状況下、拒めなかった。
 人差し指ほどで、すらりと伸びた鈍く光る金属物体。手に乗せて自分の体に入ってくることを想像してみた。
 ぞっとするような感覚とともに、停戦前に取材で入った空爆下のベオグラードの光景が浮かんだ。
 NATOに「誤爆」された中国大使館。駆けつけると敷地に巨大な穴が開き、破壊された建物の中にはまだ炎が揺らいでいた。宿泊していたホテルの向かいのビルが爆撃されたこともある。その衝撃と轟音。跡形もなく破壊されたユーゴ連邦軍参謀本部や与党ビル、周囲に飛び散ったコンクリート片や金属片、その近くの血だまり・・・・。
 手に握った実弾は、車でしばらく行った先で警戒中だったロシア兵に渡し、処分を頼んだ。少しほっとした。」とも教えてくれた。
 最後に筆者は、「日本の武器輸出三原則を野田前政権は緩和し、安倍政権は撤廃したうえで新原則を定めようとしている。
「国際的な共同開発でコスト削減になる」
「米国との同盟強化になる」
「国際的な平和及び安全の維持を妨げることが明らかな場合は輸出しない」とも。だが、こうした抽象的な議論は、日本が踏み込もうとしている武器やその取引の現場の生々しさを置き去りにしていないか。
 腐りきったカネのにおいもしないし、がれきの山となった建物も、血だまりも、銃弾もナイフの刃も、疲れ果てた難民の顔も見えない。
 こんな論じ方を形容すれば「平和ボケ」という言葉が一番ぴったりしそうだ。」と結んだ。
 読んで大変勉強になった。
 英軍需大手が、7兆5千億以上の商談で数千億の賄賂をサウジの有力王族に送った話、軍需企業による貧しい国への航空管制システムの売り込みの話、みな自分にとっては初めて知るニュースだ。武器を買った国では、為政者が莫大な賄賂で私腹を肥やし、負担や犠牲は被支配者が負担するという、不条理がまかり通っている、また、輸出国英国では、武器の生産・輸出で、生活している労働者がたくさんいるはずだ。
 輸出する国民の側にも、輸入する国民の側にも、軍需産業の経済的影響力が継続される。麻薬と同じ、原発経済と同じ、一度入ったら、抜け出すのは、至難の技だろう。
 安倍政権は、「平和ボケ」のまま、日本の戦後平和社会に、「軍需経済依存」という「麻薬」を打とうとしているような気がしてきた。その後遺症は、原発に依存する「市町村経済」が、福島の惨状を目の当たりにしても、抜け出せないことが、根深さを象徴しているのではなかろうか。
 やはり、武器輸出の問題に関しても。安倍内閣は、打倒され、あるいは総辞職、すべきだと思った。
 
[PR]
トラックバックURL : http://sasakitosi.exblog.jp/tb/20484716
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by sasakitosio | 2014-03-20 17:38 | 朝日新聞を読んで | Trackback