憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

立憲主義を破壊する 首相の「解釈改憲」

 2月28日東京新聞社説に、「立憲主義を破壊する 首相の「解釈改憲」」の見出しで、安倍首相の憲法観についての記事が載った。今日はこの社説に学ぶことにした。
 社説は、「安倍晋三首相は「解釈改憲」をし、閣議決定すると述べた。集団的自衛権の行使容認のためだ。政権が自由に解釈を改変するなら、憲法の破壊に等しい。
 フランスの哲学者モンテスキュー(1689-1755)は、名高い「法の精神」の中で、こう記している。 
 「権力をもつ者がすべてそれを濫用しがちだということは、永遠の経験の示すところである」
 権力とはそのような性質を持つため、非行させないようにあらかじめ憲法という「鎖」で縛っておく必要がある。それを立憲主義という。
 政治も憲法が定める範囲内で行わなわれなければならない。先進国の憲法は、どこも立憲主義の原則をとっている。」と切り出した。
 つづけて社説は、「安倍首相はこの原則について、「王権が絶対権力をもっていた時代の主流的考え方だ」と述べ続けている。明らかに近代立憲主義を無視している。
 若手弁護士がバレンタインデーにチョコレートと故・芦部信喜東大名誉教授の「憲法」(岩波新書)を首相に郵送した。憲法学の教科書は「近代立憲主義憲法は、個人の権利・自由を確保するために国家権力を制限することを目的とする」と書いてある。
 とくに集団的自衛権の行使容認に踏み切る憲法解釈の首相発言が要注意だ。日本と密接な外国への武力攻撃を、日本が直接攻撃されていないのに、実力で阻止する権利のことだ。
だが、平和主義を持つ憲法九条がこれを阻んできた。首相はこう語った。 
 「最高責任者は、私だ。政府の答弁に私が責任を持って、その上で選挙で審判を受ける。審判を受けるのは法制局長官ではない。」「(解釈改憲)を閣議決定し、国会で議論する」
 仮に首相がなんでも決められるのなら、著しい議会軽視である。しかも、閣議決定は強い拘束力を持つ。
 憲法という「鎖」で縛られている権力が、自ら縛りを解いて憲法解釈を変更するのか。しかも、選挙で国民の審判を仰げば、すむのか・・・こんな論法がまかり通れば、時々の政権の考え方次第で、自由に憲法解釈を変えることができることになる。権力の乱用を防ぐ憲法を一般の法律と同じだと誤解している。やはり立憲主義の無視か。
 憲法九条で許される自衛権は、自国を守るための必要最小限の範囲である。「集団的自衛権はこの範囲を超える」と従来の政府は一貫した立場だった。
 かつ、歴代自民党内閣は解釈改憲という手法も否定してきた。
 集団的自衛権の憲法解釈を変更することに「自由にこれを変更するということができるような性質のものではない」(1996年)。
 「仮に集団的自衛権を憲法上認めたいという考えであれば、憲法改正という手段を当然とらざるを得ない」(83年)などの政府答弁が裏付けている。」と指摘した。
 さらに社説は、「元内閣法制局長官の阪田雅裕氏は講演で「60年間、風雪に耐え、磨き上げられてきた相当に厳しい解釈だ」と述べている。
 集団的自衛権行使を認めると、海外で自衛隊が武力を行使できることになる。実質的に憲法九条は空文化し、憲法改正と同じ意味を持ってしまう。
 阪田氏は解釈改憲の手法を「大変不当だ。法治国家の大原則に違反する」とも語っている。「そんなことが許されるなら立法府はいらない」「一内閣のよく分からない理屈で解釈変更するのは、法治国家の根幹にかかわる」という厳しい批判だ。
 政権によって自由に憲法の読み方が変わるというのでは、最高法規が不安定になるのではないか。解釈改憲は、憲法の枠を超越する、あざとい手段と言える。」と、指摘した。
 さらに続けて社説は、「「選挙で審判を受ける」という論理も飛躍している。選挙公約には、国民生活に関わる”フルコース“の政策メニューが掲げられる。
 選挙で勝ったからと言って、解釈改憲という重大問題について、首相にフリーハンドを与えるわけでない。
 そもそも憲法99条には「国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員はこの憲法を尊重し擁護する義務を負ふ(う)」と定められている。首相は本来、現行憲法を尊重し、まもらねばならない立場にある。」と指摘した。
 最後に社説は、「“芦部憲法”はこうも書く。<民主主義は、単に多数者支配の政治を意味せず、実を伴った立憲民主主義でなければならない>
 多数者支配の政治が何でも勝手に決めてしまうならば、もはや非民主主義的である。」と結んだ。
 読んで、勉強になった。
 モンテスキューが著書「法の精神」の中で、「権力をもつ者すべてそれを濫用しがちだということは、永遠の経験の示すところである」と言っていることは、はじめて知った。そのとおりで、人間がいかに不完全な動物であるかだ。
 それにしても、変な人が総理大臣になったものだ。いまは、日本国憲法で「基本的人権が保障」され、政権批判が躊躇なくできる時代だからまだいいようなものの、これが、秘密保護法の施行後にだったら、日本はたちまち「ファシズムの」嵐吹きまくる」、暗―い世の中になっていたかもしれない。
 まだ間に合いそうだ。秘密保護法廃止、集団的自衛権の行使反対、憲法改悪反対、を主張し続け、忘れないことにした。  
 
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by sasakitosio | 2014-03-04 10:38 | 東京新聞を読んで | Trackback