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by sasakitosio

財政再建はなぜ出来ぬ

 1月8日付東京新聞社説に、「財政再建はなぜできぬ」の大見出しで、「業界団体への高配当、予算制度に問題あり、問題解決への第一歩」の小見出しで、政府予算案に関する記事が載った。
 今日はこの社説に学ぶことにした。
 社説は、「 <前略>  話は戻り、過去最大の96兆円(一般会計総額)に膨張した政府予算案の問題はなんでしょうか。それは低成長・少子高齢化時代にもかかわらず高度成長期のようなバラマキ型分配を続けていること、分配先が選挙で自民党を支援した業界団体への手厚い配当(公共事業、農業、診療報酬など)や安倍晋三首相肝いりの防衛費に向けられている。増大する社会保障費で余裕などないのに。
 こんな予算をいつまでも続けられるはずはありません。国と地方の借金残高は一千兆円を超え、政府の利払い費だけで年間十兆円に上ります。しかも、これは日銀が異次元の金融緩和で人為的に金利を抑え込んだおかげで低い額で済んでいるといえます。
 しかし、政府が財政再建に本腰を入れずに日銀の人為的な金利抑制策に頼り続けていては、いずれこの国の財政を見限って、お金が海外に逃げていきかねません。
 市場の番人である日銀が市場を大きくゆがめている「危うさ」を忘れてはならないでしょう。」と切り出した。
 つづけて社説は、「アベノミクスには「手本」ともいえる政策があります。昭和初期、大恐慌時のデフレを収束させた大蔵大臣、高橋是清による「高橋財政」といわれる一連のリフレ政策です。金本位制から離脱して通貨発行量を無制限に増やす大胆な金融緩和、禁じ手とされた日銀の国債引き受けを利用した積極財政。アベノミクスの第一、第二の矢とそっくりです
 高橋は日本経済を回復軌道に乗せましたが、出口戦略に取り掛かった途上で非業の最期を遂げます。健全財政に舵を切り、軍事費を削減しようとして軍の恨みを買い、二・二六事件の凶弾に倒れたのです。安倍政権の行く末を案じるつもりはありません。言いたいのは、異次元の政策をやれば、避けて通れない困難な「出口」が待っているという教訓です。アベノミクスが正念場を迎える日はそう遠くありません。」と、警告している。
 さらに社説は、「では、これまで財政再建がなぜ実現できなかったのでしょうか。
 「財政再建に失敗している根源的な問題は予算制度にある。それを放置してきた政治家や官僚、さらに国民も」というのは大蔵省(現財務省)出身で各国の財政に詳しい田中秀明・明治大学公共政策大学院教授です。
 実は日本は1990年時点では先進7か国(G7)の中で財政の健全性は最上位でした。しかし、バブル崩壊を経て2000年には再下位に転落。一方、90年代に予算制度改革に着手した欧米諸国は劇的に財政赤字を減らしました。国の取り組みによって財政再建の成否が分かれたのです。
 田中教授によれば、そもそも日本の財政法には目的規定すらなく、また財政再建の道標となる「中期財政計画」をつくっても単なる見通しでしかない。財政法を財政責任法に改め、そのときの政権が財政目標を定め、達成状況を定期的に検証することを義務付けるべきだといいます。過去に財政危機を経験したスエーデンや豪州、韓国さらに先進各国にならって予算制度の改革が必要と主張します。」と教えてくれる。
 最後に社説は、「財務省の予算の説明資料は専門家がみてもよくわからないといいます。そうはいっても財政が厳しさを増す少子高齢化は待てくれません。危機が顕在化して辛苦を味わうのは国民です。難しくても関心を持ち、政治家や官僚が危機感を抱くよう監視していくことが問題解決の後押しになります。」と締めくくった。
 読んで勉強になった。
 まず、「高橋財政」のリフレ政策が、「金本位制から離脱して通貨発行量を無制限に増やす金融緩和」・「禁じ手とされる日銀の国債引き受けを利用した積極財政」を実行し、日本経済を回復軌道に乗せたことが、アベノミクスの「第一の矢・第二の矢」とそっくりとのこと。異次元の政策をやれば、避けて通れない困難な「出口」が待っていること。異次元の政策の見本はあるが、うまい異次元の「出口」の見本はいまだないということ。等等の指摘は、これからの社会を見る視点の一つを気付かせてくれた。
 もう一つ、財政規律の問題については、いまだ日本に「財政責任法」はないことが分かった。アメリカで、議会と大統領が予算執行について、ぎくしゃくしているように見えることが、かえって財政規律が確立されている証拠なのではないか。そんな気がした。
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by sasakitosio | 2014-01-11 09:12 | 東京新聞を読んで | Trackback