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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

民主主義を取り戻せ 秘密保護法が成立

 12月7日付東京新聞社説に、「民主主義を取り戻せ」の大見出しで、「公約で触れぬ瑕疵、国民を「奴隷」視か、改憲に至る第一歩」との小見出しで、秘密保護法の問題点が記事になった。
 今日はこの社説に学ぶことにした。
 社説は、「国会の荒涼たる風景に怒りを禁じ得ない。国民の代表である「国権の最高機関」で民意が踏みにじられる異常さ。取り戻すべきは、民主主義である。  <中略>
 防衛・外交など特段の秘匿が必要な「特定秘密」を洩らした公務員らを厳罰に処す特定秘密保護法は、内容はもちろん、手続き上も多くの瑕疵がある。
 まず、この法律は選挙で公約として掲げて、有権者の支持を得たわけではないということだ。<中略>
 選挙で公約しなかったり、国会の場で約束しなかったことを強行するのは、有権者に対するだまし討ちにほかならない。
 選挙公約に掲げて有権者に判断を仰ぎ、それを実行できたかどうか、次の選挙で評価を仰ぐのが、民主主義の健全なサイクルだ。
 特定秘密保護法の成立を強行することは、民主主義を愚弄するものだとなぜ気づかないのか。自民党はそこまで劣化したのか。」と切り出した。
 さらに社説は、「安倍内閣は国会提出前、国民から法案への意見を聞くパブリックコメントに十分な時間をかけず、反対の多かった「民意」も無視して提出に至った。
 国会審議も極めて手荒だ。同法案を扱った衆院特別委員会では、地方公聴会の公述人7人全員が法案への懸念を表明したにもかかわらず、与党は翌日、法案を衆院通過を強行した。<中略>
 審議終盤、政府側は突然「情報保全諮問会議」「保全監視委員会」「情報保全監察室」「独立公文書管理監」を置くと言い出した。
 これらは公文書管理の根幹にかかわる部分だ。<中略>
 弥縫策がまかり通るのも国政選挙は当分ないと、安倍政権が考えているからだろう。今は国民の批判が強くても衆参ダブル選挙が想定される3年後にはすっかり忘れている。そう考えているなら国民をばかにするなと言いたい。
 人民が自由なのは選挙をする間だけで、議員が選ばれるやいなや人民は奴隷となる~~。議会制民主主義の欠陥を指摘したのは18世紀の哲学者ルソーだ。」と、指摘した。
 最後に社説は、「20世紀に生きるわれわれは奴隷となることを拒否する。有権者にとって選挙は、政治家や政策を選択する最大の機会だが、白紙委任して唯々諾々と従うことを認めたわけではない。
政治が自分たちの思いと違う方向に進もうとするなら、声をあげるのは当然の権利であり、私たち言論機関には義務でもある。
 <中略>
 日本の民主主義が崩れゆく流れにあったとしても、われわれは踏みとどまりたい。これから先、どんな困難が待ち構えていようとも、民の力を信じて。」と、締めくくった。
 よんで、社説の気迫が伝わってきた。
 ただ、新聞はじめ多くの他人の意見を聞き見ながら、現実を先入観なく、直視したい。
 ルソーの言うような、現実を目の前にして、この現実から出発したい。
 議員以外の民の声を無視し、議員の多数決だけで、公約していないこと・公約に反すること、を決めていく、自民党と公明党の議員がいる現実から出発したい。
 投票日以降の社会の変化・民意の変化にたいする対応を、選挙は「議員の資質」に委ねている。ところが、選挙の際「議員の資質を検証する」システムがない。被選挙権者の、公人としての資質をはかる資格試験のようなものもない。倫理教育・公民教育は「議員」こそ必要なのではないか。
 議会制民主主義の、民意とのづれを修正するには、公約にないこと、公約に反することを進めるには、国民投票など直接に、その時の民意を確かめるシステムも必要だ。
 今回の、秘密保護法案の審議のすすめかたから学ぶことは、西洋から学んだ「民主主義」から、社説の言うような日本における民主主義を、新たに創造する時代に来ているのではないか。国会の荒涼たる風景を見る限り、いまだ日本に、国民主権も民主主義も、定着していなかったということか?しかし、立憲政治の基礎になる、立派な憲法を、日本国民は、こんにちまで保持し続けてきた。これを生かした、国づくりをあきらめてはいけない。秘密保護法の廃棄に向けた運動を、すぐにはじめよう。被支配者は、常に多数派なのだから。
 
by sasakitosio | 2013-12-07 16:43 | 東京新聞を読んで | Trackback