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by sasakitosio

「脱原発」実現しつうある日本

 10月31日付朝日新聞朝刊17面に、「あすを探る 思想・歴史」という署名入り囲み記事がある。筆者は、慶応大学教授小熊栄二氏だ。
 今日はこの記事に、学ぶことにした。
 筆者は、「福島第一原発事故後に、もっとも劇的に脱原発した国はどこか。そう質問すると、多くの人が「ドイツ」と答える。しかし、ドイツは、政府が脱原発を宣言したが、実際は多くの原発を動かしている。
 では、政府が宣言していないが、実質的に脱原発した国はどこか。言うまでもなく日本である。いま日本では、一基の原発も動いていない。」と、切り出した。
 メディアから流される「再稼働推進のニュース」の奔流の中で不安な思いをしている者にとって、目からうろこが落ちる・ホットする切りだしだ。 
 つづけて筆者は、「ではこの状況をつくったのは誰か。政治家がリーダーシップをとったのか。賢明な官僚が立案したのか。財界やマスコミの誘導か。アメリカの「外圧」か。いずれでもない。
答えはただ一つ、「原発反対の民意が強いから」だ。それ以外に何かあるとしたら、ぜひ挙げてみてほしい。」と言い切った。
 さらに筆者は。「民意は脱原発を望み、政官財の抵抗を押し切り、実質的な脱原発を実現しつつある。この明白かつ平凡な事実を認識できない人々、というより認めたがらない人々がいる。政界や財界など、狭いムラ社会の住人たちだ。彼らの内輪では、異論を排除して島宇宙を作り、「脱原発など極論だ」とうそぶくことはできるだろう。強力な権力を持っていると思い込んでいる彼らさえ、それならばなぜ再稼働すら進まないのかと問えば、「民意の反対が強いから」としか答えられないではないか。」と指摘した。
 なお筆者は、「昨年来の選挙結果は何か、と問う人々がいる。
 即席で脱原発を唱えた政党が信用されなかったのは、むしろ健全というべきだ。自民党の比例区得票数は大敗した2009年の数を回復しておらず、09年の民主党の約6割である。自民党は棄権の多さと野党の分裂で、少ない得票で漁夫の利得たにすぎず、基盤強固とはいえない。しかも自民党の得票の約7割は脱原発支持者のものだ。(小熊編著「原発を止める人々」参照)」と指摘。
 かさねて筆者は、「民意など冷めやすい、と称する人々がいる。しかし震災以後の世論調査では、一貫して脱原発支持者が7割である。しかも11年6月には「段階的に減らして将来はとめる。」が約7割いう程度だったものが、13年6月には「再稼働に反対」が6割を占めた。つまり民意の脱原発要求はは、水準が上がっているのだ。」と指摘している。 
 かさねて社説は、「思い起こしてみよう。震災直後の時点で、稼働原発ゼロという事態が実現しうると予測した人は、殆どなかったはずだ。電力の3割を担う原発をやめれば経済も生活も崩壊する、と思われていたからだ。しかし人々は、原発の危険性を知り、原発をめぐる政治経済の構造を知った。その結果として節電が進み、デモがおこり、原発は止まっていゆき、それでも生活に支障はなかった。」と、指摘した。
 さらに筆者は、「すでに関西電力管内外は原発なしで二夏を過ごし、稼働原発ゼロは既成事実になりつつある。この既成事実は、時間が経てばたつほど定着し、支障がないのになぜ原発がいるのかという意見が強まる。」とも指摘した。
 さらに筆者は、「今となっては、電力供給の必要から原発を再稼働するという説明に、納得する」国民は少ない。近年の貿易赤字は、火力発電燃料の輸入増の影響とゆうより、スマートフォンの輸入急増に象徴される、日本の貿易構造と世界経済に占める位置の変化によるものだ。
 市場規制と補助金に依存して重厚長大産業である原発は、震災以前から斜陽産業で、廃炉促進に転換した方が優秀な人材も産業も育つだろう。」と、脱原発のメリットを提示した。
 最後に筆者は、「「日本には偉大なリーダーはいないが、民衆の実行力はすごい」というのが、高度成長期から一貫した日本評価である。政治家が脱原発を華やかに宣言したドイツとは対照的に古い既得権に足を取られた政官財の抵抗を押し切り、脱原発を実質的に実現しつつある震災後の日本は、こうした評価がよく当てはまる。あとは、政治家が、この明白な趨勢を認識し、応えられるかの問題だ。」と締めくくった。
 読んで、元気・勇気・やる気が出てきた。希望が見えてきた。
「原発ホワイトアウト」という本を読んで、原発推進側の仕掛けの大きさを知らされ、脱原発の皆さんは、それに対抗できるのだろうか?と弱気の虫が騒いだ。そんな弱気の虫を抑えるのに、この記事は良い薬になった。 
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by sasakitosio | 2013-11-03 17:23 | 朝日新聞を読んで | Trackback