憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

坂口安吾と憲法九条 戦争放棄という明察

 10月21日付東京新聞社説に、「坂口安吾と憲法九条 戦争放棄という明察」という見出しで、坂口安吾の「堕落論」という随筆が記事に載った。今日は、この社説に学ぶことにする。
 社説によれば、「<戦争は終わった。特攻隊の勇士はすでに闇屋となり、未亡人はすでに新たな面影によって胸を膨らませているではないか。人間は変わりはしない。ただ人間へ戻ってきたのだ。人間は堕落する。義士も聖女も堕落する。それを防ぐことはできないし、防ぐことによって人を救うことはできない。人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない>
 国家のために死ぬことは当然、日本人なら清く正しく生きねばならない、と教え込まれていた当時の人々にとった、堕落こそ人間救済の道という逆説的な省察は衝撃的でもありました。本質を見抜く洞察力に貫かれたこの随筆を機に一躍、人気作家になります。」と教えてくれる。
 続いて社説は、「43年(同18)年、海軍の山本五十六元帥の訃報に接し、こう記しています。<実際の戦果ほど偉大なる宣伝力はなく、また、これのみが決戦の鍵だ。飛行機があれば戦争にかつ。それならば、ただガムシャラニ飛行機をつくれ。全てを犠牲に飛行機をつくれ。そして実際の戦果をあげる。ただ、戦果、それのみが勝つ道、全部である>(現代文学「巻頭随筆」)
 戦争に勝つには、精神力ではなく軍事力、国民を奮い立たせるのは、うその大本営発表ではなく真の戦果、というわけです。-中略
「根源から問い直す精神」。評論家の奥野健男さんは、安吾の魅力をこう書き残しています。」と指摘した。
 さらに社説は、「堕落論の約半年後、日本国憲法が公布されます。主権在民、戦争放棄、基本的人権の尊重を三大原則とする新しい憲法です。安吾の精神は、憲法論に遺憾なく発揮されます。特に評価を与えたのが、国際紛争を解決する手段としての戦争と、陸海空その他の戦力を放棄した九条でした。
<私は敗戦後の日本に、二つの優秀なことがあったとと思う。ひとつは農地解放で、一つは戦争放棄という新憲法の一項目だ><小っぽけな自衛隊など、全然無用の長物だ。与えられた戦争放棄を意識的に活用するのが、他のいかなる方法よりも利口だ>(文芸春秋「安吾巷談」)
 <軍備をととのえ、敵なるものと一戦を辞せずの考えに憑かれている国という国がみんな滑稽なのさ。彼らはみんなキツネ憑きなのさ><ともかく憲法によって軍備も戦争も捨てたというのは日本だけだということ、そしてその憲法が人から強いられたものであるという面子にに拘泥さえしなければどの国よりも先にキツネを落とす機会に恵まれているのも日本だけだということは確かであろう>(文学界「もう軍備はいらない」)
東西冷戦に突入し、核戦争の恐怖が覆っていた時代です。軍備増強より、九条の精神を生かす方が現実的との指摘は、古びるどころか、今なお新鮮さをもって私たちに進むべき道を教えてくれます。
―中略――本質を見抜き、根源から問い直す。安吾の精神が今ほど必要とされる時代はありません。」と締めくくった。
 「堕落論」も坂口安吾も、この社説で、初めて知った。だから、大変勉強になった。
 護憲派は、ここら辺からも学ばなくてはいけない。
 とくに、この東京新聞の社説は、国会議員に是非読んでほしい。護憲派も改憲派も。
 まさに、奇遇としか言いようがないが。昨日の101歳の母の妹の葬儀で、新潟市の青山斎場に行った。
これも、不思議なことに、斎場の「チラシ」棚に、「坂口安吾賞・作品募集」の立派なチラシがあるではないか。改めて、坂口安吾が新潟市出身であることに感動した。
[PR]
トラックバックURL : http://sasakitosi.exblog.jp/tb/19878105
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by sasakitosio | 2013-10-26 08:04 | 東京新聞を読んで | Trackback