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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

自由よ、伸びやかで 週のはじめに考える

 9月22日付東京新聞社説は、「自由よ、伸びやかで」の見出しで、自民党の憲法改正草案を取り上げた。今日は、この社説に学ぶことにした。
 社説は、幕末の1857(安政4)年に来日した、オランダ人軍人のカッテンディーケが書いた「長崎海軍伝習所の日々」(平凡・東洋文庫)の一文「<日本の下層階級は(中略)世界の何れの国のものよりも大きな個人的自由を共有している。そして彼らの権利は驚くばかり尊重されていると思う><しかもその自由たるや、ヨーロッパの国々でもあまりその比をみないほどの自由である>」を教えてくれた。
 重ねて社説は、1859(安政6)年に来日した英国の初代駐日公使オールコックが書いた「大君の都(岩波文庫)」の一文「<一般大衆の間には、われわれが想像する以上の真の自由があるかも知れない。(中略)一般大衆の自由があって民主的な制度をより多く持っている国々以上に、日本の町や田舎の労働者は多くの自由を持ち個人的に不法な仕打ちをうけることがなく・・・・>」を教えてくれた。
 続けて、社説は、「近代の扉を開いた西洋人が、当時の水準ながら、日本人を「自由だ」と評価したことには驚きを禁じえません。どこか誇らしくも感じます。もちろん現代ニッポン人は、江戸時代人よりもはるかに確立された、自由や権利を持っています。日本国憲法で保障されているからです。国民主権であり、基本的人権が規定されています。(中略)だから、我々は自由の空気を胸いっぱい吸っているのです。でも暗雲が覆い始めました。」と、心配している。
 その理由として、社説は、「自民党の憲法改正草案が現実味を帯びてきたからです。憲法九条の改正も大問題ですが、自由と権利を定めた十二条なども要注意です。改正草案はこう書きます。「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」-
。現行憲法の同条文には義務の言葉はありません。つまり義務を押し付け、国家が「公益」や、「公の秩序」に国民を服従させる意図が露骨に表れています。なんと窮屈なことでしょう。個別の条文にいくつも「公益及び公の秩序」の言葉を入れています。これでは国家がわれわれの権利に手を突っ込もうとしているのです。」と怒っている。
 さらに社説は、「幕末に日本を訪れた外国人は「日本の民衆が幸福そうで、生活に満足している。」という記録も数多く残しています。これは江戸人が「自由と権利」を持っているとの観察と密接不可分です。カッテンディーケは「日本政府は民衆に対して、あまり権力を持っていない」とも書いています。江戸人が自由に見えたヒントはここにありそうです。権力を使わないから自由ー。そんな関係かもしれません。国家が権力を振りかざし、国民生活に介入するほど、幸福の風景はかすみます。」と締めくくった。
 社説を読んで、大変勉強になった。 
 まず、江戸時代の民衆に、自由があったことに驚きました。また、「権力を使わなうから自由ーー」は、今の憲法にも通じる考え方だと思いました。憲法に保障された基本的人権は、「権力が尊重義務」をおわされていることに意味があると、むかし、教わったような気がします。また、憲法は、国民の権利を保障し、国家を縛るものと教わったが、自民党の憲法改正案は違うのだ。 
by sasakitosio | 2013-09-25 17:59 | 東京新聞を読んで | Trackback